知育
日付
2026/10/31

忘れ物が多い小学生の準備を支える場面別の対策と声かけ・持ち物確認表

忘れ物が多い小学生の準備を支える場面別の対策と声かけ・持ち物確認表

忘れ物が続くときは、何度も注意する前に、準備がどこまでできているかを一緒に確かめてみましょう。「必要な物を知る」「探す」「かばんに入れる」「持って出る」「学校で提出する」と分けると、どこを手伝うか決めやすくなります。

例えば、連絡帳に持ち物が書かれていない場合と、用意した物が机に残っていた場合では、試す方法が違います。学校からの持ち帰り忘れも、ご家庭での準備とは分けて考えます。まずは直近の忘れ物を1つ選び、できていたところと、まだ確認できていないところを分けてみてください。

保護者の方が全てを確認し続けたり、すぐに本人だけに任せたりする必要はありません。できている手順は本人に任せ、抜けやすい部分だけを一緒に確かめるところから始めましょう。

まずは「何を忘れたか」より「どこで抜けたか」を確認する

連絡の確認から提出まで、抜けた手順を分けて見る

同じ「ノートを忘れた」でも、必要だと知らなかったのか、見つからなかったのかで対応は変わります。「どうして忘れたの?」と理由を求めるより、連絡帳や残っていた物を見ながら、「必要だとわかっていた?」「どこまで用意した?」と、一つひとつの動作に分けて確かめましょう。

次の表は、性格や医学的な原因を判定するものではありません。実際に確認できたことをもとに、ご家庭で試す方法や学校に確認したいことを整理した例です。

場面観察する事実試す方法と声かけ学校に確認する条件・例外
連絡を把握する連絡帳や学校の配信に、必要な物が記録されているか。準備の最初に、学校が指定する連絡手段を見る。
「明日の持ち物は、どこに書いてあるかな。」
連絡帳が空欄で、配信などでもわからない場合は、確認方法を学校に相談する。
物を探す必要な物はわかっているが、探す途中で止まっていないか。置き場所を決め、物の名前や形の目印をつける。
「算数のノートは、どこに置いたかな。」
学校に置いてあるかもしれない場合は、持ち帰る必要がある物かを確認する。
かばんに入れる机にそろえたままになっていないか。確認表に印だけついていないか。実物を1つ入れ、その後に印をつける。
「算数のノートをかばんに入れよう。」
指定のノートや道具が不明な場合は、入れ忘れとは分けて確認する。
持って出るかばんは持っても、水筒や別の袋が残っていないか。出発時に、別に持つ物も実物で確かめる。
「今日はこの袋も持って出よう。」
行事などで持ち方や集合方法が変わる日は、学校の案内を優先する。
学校で提出する提出物がかばんに入ったまま戻っていないか。本人が提出の手順を知っているか確かめる。
「このプリントは、いつ、どこへ出すのかな。」
提出方法がわからない場合や、同じ状態が続く場合は、担任と確認方法を相談する。
学校から持ち帰るその日に必要な教材や連絡帳が、手元にあるか。学校に置いてよい物と、その日に持ち帰る物を分ける。
「今日持ち帰る物は、何だったかな。」
持ち帰る物が不明な場合や、メモをつけても持ち帰れない場合は、帰りの準備の流れを学校に確認する。

例えば、宿題のプリントを終え、机に置くところまでは確認できていて、翌朝も机に残っていたなら、まず見直すのは「かばんに入れる」場面です。宿題の内容や取り組む時間まで変えず、終わったプリントを指定の袋に入れ、その袋をかばんへ戻すところを一緒に確かめます。

思い出せないときは、次の準備を一緒に確かめる

本人が「覚えていない」と言うときは、答えが出るまで聞き続ける必要はありません。「次に準備するとき、一緒に見てみよう」と伝え、実際の動きを確かめます。

連絡帳を見て必要な物を言えるか、実物を選べるか、選んだ物をかばんに入れられるかを順に見ます。途中で止まったら、「次は何をするんだっけ」と尋ね、わからなければ次の動作を1つ伝えましょう。保護者の方が先に全てをそろえるより、本人がどこで手助けを必要としているのかがわかりやすくなります。

学校での様子がわからない場合は、推測せず、「自宅ではここまで確認できました」と学校に伝えます。一度の様子だけで原因を決めず、まずは手助けが必要だとわかった部分を1つだけ、一緒に確認してみてください。

前日と朝の準備を、実物で確かめる流れにする

連絡帳と翌日の時間割を見て、必要な物を1つずつ入れる

前日の準備は、ご家庭で取り組みやすい時間に行います。「夕食の前」「宿題を片づけるとき」など、生活に組み込みやすい場面を本人と選びましょう。保護者の方がその時間に立ち会えない場合は、本人が準備する時間と、必要な部分を一緒に確認する時間を分けても構いません。

匝瑳市立野田小学校の保護者向け手引きでは、机の上を整えることや、翌日の道具を子ども自身がそろえることが提案されています。以下の手順や確認表は、ご家庭の状況に合わせて試せる一例であり、この資料で忘れ物への効果が実証されているわけではありません。

用意するのは、連絡帳、翌日の時間割、学校の配信やお便り、かばんと必要な学用品です。確認表を使うなら、紙と筆記具も用意します。まず、物を広げて確認できるスペースを空けましょう。

  1. 翌日の予定を確認します。普段の時間割だけでなく、連絡帳や配信にも目を通し、授業変更、提出物、行事の持ち物について連絡がないか確認します。
  2. かばんの中を見て、すでに入っている物と、これから入れる物を確かめます。保護者の方に渡すお便りなどがあれば取り出します。
  3. 1教科ずつ必要な物をそろえます。例えば算数なら、教科書、指定のノート、その授業で使うよう案内された道具を確認します。「算数一式」とまとめて済ませず、実物を確かめます。
  4. 実物を1つずつかばんに入れます。確認表を使う場合は、入れた後に印をつけます。「算数のノートをかばんに入れよう」と、今やることを1つ伝えます。
  5. 筆箱は中身も見ます。学校で指定された筆記具があるか、鉛筆は使える状態かを確認してから入れます。
  6. 宿題や提出するプリントを指定の袋やファイルに入れ、それをかばんに戻します。朝に用意する物や出発時の確認など、まだ済んでいない確認欄には、印をつけません。

準備した後に教科書や筆箱を使う場合は、使い終えたらかばんへ戻します。確認表に印があっても、その後に取り出した物は再確認が必要です。「準備後に使った物を戻したか」だけ確認するのか、準備する時刻を変えるのかは、ご家庭の流れに合わせて決めましょう。

物探しに時間がかかる場合は、表を細かくする前に置き場所を決めます。新しい収納用品を買わなくても、手元の棚や箱に「ノート」「連絡袋」と書いた紙をつける方法があります。見た目を整えることよりも、本人が取り出せて、使った後に戻せるかを確かめてください。

準備ができたら、「連絡帳を見て、ノートを入れられたね」と、確認できた行動を伝えます。「全部できたか」だけでなく、できるようになったことも具体的に伝えられます。

朝に用意する物と別の袋は、持って出るときに確認する

前日に必要な物をそろえることと、出発時に持って出ることは別の確認です。水筒など朝に用意する物や、体操服袋・上履き袋など別に持つ物は、前日の準備だけで確認を終えないようにしましょう。学校の指定に沿ってかばんに入れ、その後に取り出していなければ、出発時にもう一度取り出して確認する必要はありません。

また、出発時に使うメモは、かばんのそばなど、本人が立ち止まって確かめられる場所に置きます。「今日はこの袋も持って出よう」と実物を示して確認してください。荷物を置く場合も、通路や出入りの妨げにならない場所にしましょう。

ご家庭で書き換えて使える持ち物確認表

手元の紙に「物の名前」「確認する時点」「済んだ印」を書くだけで始められます。使う日付を書き、前日の印を残したまま翌日の確認に使わないようにします。

記入例:
□は未確認、✓は確認が済んだ後につける印です。「準備」「中身」の欄には持ち出せる状態にした後、「収納」の欄には実際にかばんに入れた後に印をつけます。「出発時の確認」の欄には、かばんと、別に持つ物を全て持った後に印をつけます。「後で入れるつもり」「後で持つつもり」では印をつけません。かばんとは別に持つ物は、「収納」欄を「対象外」と書き換え、表の末尾にある「別に持つ物」に名前を書きます。その日に必要のない物は行を消すか「不要」と書き、未確認と区別してください。

区分使う日物の名前確認する時点済んだ印
前日に入れる物算数がある日算数の教科書収納:
かばんに入れた後
収納 ✓
前日に入れる物算数がある日算数で指定されたノート収納:
かばんに入れた後
収納 ✓
前日に入れる物学校から指定された日授業で使う道具:
____
収納:
必要な道具を確かめ、かばんに入れた後
収納 □
前日に入れる物毎日・学校の指定に合わせる筆箱収納:
中身を確認し、かばんに入れた後
収納 ✓
前日に入れる物毎日・学校の指定に合わせる連絡帳収納:
指定の袋などに入れ、かばんに戻した後
収納 ✓
前日に入れる物提出する日宿題・提出物:
____
収納:
指定の袋などに入れ、かばんに戻した後
収納 □
朝に用意する物学校の指定に合わせる水筒準備:
中身やふたなどを確認し、持ち出せる状態にした後。
収納:
かばんに入れる場合は、入れた後。
準備 □
収納 □
別の袋で持つ物週明け・指定の曜日上履き袋中身:
前日に中身を確認した後。
収納:
かばんに入れる場合は、入れた後。
中身 □
収納 □
別の袋で持つ物指定の曜日体操服袋中身:
前日に中身を確認した後。
収納:
かばんに入れる場合は、入れた後。
中身 □
収納 □
その日だけ必要な物行事など:
____
物の名前:
____
準備:
学校の案内に沿って、持ち出せる状態にした後。
収納:
かばんに入れる場合は、入れた後。
準備 □
収納 □
追加欄____________□
出発時の確認この表を使う日かばん
別に持つ物:
____
____
出発時に、かばんを背負うか手に持ち、別に持つ袋・水筒なども全て持った後。別に持つ物がない日は、かばんを確認する。かばんと、別に持つ物を持った □

複数の宿題や提出物がある日は、名前ごとに行を分けます。一方、毎回問題なく準備できている物まで書くのが負担なら、抜けやすい物に絞って構いません。時間割を見て必要な物を選ぶために使うのか、最後の入れ忘れを確認するために使うのかによって、必要な項目は異なります。

学校に置いてよい物は、毎日持ち帰って確認する対象にしません。ご家庭の表にも「学校に置く」と記しておくと、手元にない物と入れ忘れを区別できます。週明けや行事の日だけ必要な物は別欄にし、学校からの案内が変わったら書き換えましょう。

確認表を使っても忘れるときは、使う場面を見直す

確認表があっても忘れ物が続く場合は、項目や注意を増やす前に、本人が実際にどう使っているかを確認します。「見ていない」「見たが物を選べない」「印はあるが入っていない」では、次に見直すところが変わります。

見られた様子次に試す変更声かけの例
表を見ずに準備を終えている項目は増やさず、持ち物を準備する場所へ表を移す。準備の最初に1項目だけ一緒に確認する。「まず、この表の最初を見よう」
表は見たが、どのノートか選べない表と実物に、同じ教科名や形の目印をつける。色だけで区別しない。「『算数』と書いてあるノートを探そう」
「収納」に印はついているが、物が机に残っている「実物を入れる→印をつける」の順序に戻し、1つずつ行う。「入れたら、ここに印をつけよう」
準備後に使った物が入っていない取り出した物の「収納」の印を未確認に戻し、使い終えたら入れ直す。必要なら準備する時刻を変える。「使い終わった筆箱を、かばんに戻そう」
細かく分けたファイルのどこに入れるか迷う学校の指定を確認し、可能なら分類を減らす。提出する物を1つの場所にまとめる方法も相談する。「提出する物は、この場所にまとめよう」
前日に用意した別の袋が残っている出発時に見る位置へメモを移す。袋を持ったことも確かめてから、表の末尾の「出発時の確認」に印をつける。「出る前に、この袋を持とう」

試した後は、忘れ物の総数だけでなく、今回確認した手順ができていたかを確かめます。例えば「表を見てノートを入れる」はできても、学校で提出できなかったなら、次に確認するのは提出の場面です。準備の方法を全てやり直す必要はありません。

確認に時間がかかりすぎる、毎回全てを読み上げないと進まないなど、ご家庭の負担が大きい場合は、やり方を見直します。項目を絞る、本人がわかる言葉に直す、分類を減らすといった変更を1つ選び、「その動作ができたか」「確認の負担はどうだったか」を次の準備で確かめましょう。

保護者の方が手伝う範囲は、学年より準備の様子で決める

低学年は一緒に確認し、高学年は必要な部分を相談する

手伝う範囲は、「必要な物がわかるか」「実物を入れられるか」「自分で確認できるか」で考えます。学年は手伝い方を考える目安にはなりますが、任せる時期を一律に決める基準ではありません。

  • 低学年なら、連絡帳と実物を一緒に確認する方法があります。例えば小学1年生なら、保護者の方が持ち物の欄を指しながら読み、本人が物を探してかばんに入れる、という分担から始められます。物を選べるなら、かばんに入れるところまで代わる必要はありません。
  • 中学年なら、本人が準備した後に、抜けやすい部分だけを確認する方法があります。例えば小学3年生なら、「時間割の物は自分で、明日の提出物は一緒に確認しよう」と範囲を決めます。
  • 高学年なら、本人と相談して必要な部分だけ手伝う方法があります。例えば小学5年生なら、「普段の準備は任せるね。行事の日は案内を一緒に見よう」と、予定が変わる場面だけ手伝えます。

また、高学年でも連絡の読み取りに手助けが必要なら一緒に読み、低学年でも自分で入れられる物は任せるなど、実際の準備の様子に合わせましょう。

自分で進められた手順から、確認を減らしてみる

声をかけなくても連絡帳を見て必要なノートを選び、かばんに入れて確認できるようなら、その部分の支援を減らしてみます。「何日できたら全て任せる」と期間で区切るのではなく、どの動作なら本人だけで進められるかで決めましょう。

例えば、保護者の方が1つずつ読み上げていたところを、本人が準備した後に確認表を一緒に見る方法へ変えます。それも自分でできるなら、次は抜けやすい朝の水筒だけを確認するなど、段階的に確認を減らせます。

さらに、「教科書とノートは自分で確認できているから、今日は任せるね。わからない持ち物があったら一緒に見よう」と、任せる範囲と、相談してよい部分を伝えましょう。時間割の変更日、行事前、疲れている日などは、その日の状況に合わせて、必要なところは再び手伝っても構いません。

余裕がない日は手伝い、落ち着いてから見直す

時間がない日に保護者の方が準備を手伝っても、失敗ではありません。ただし、本人が中身や場所を知らないままだと、学校で探せないことがあります。「プリントは連絡袋に入れたよ。かばんの前のポケットにあるよ」と、入れた物と場所を伝え、可能なら本人にも見てもらいましょう。

何度も忘れ物が続くと、穏やかに声をかける余裕がない日もあります。その場で長い振り返りをせず、「今日は一緒に入れよう」と必要な準備だけを進めても構いません。

見直すのは、本人と保護者の方が落ち着いてからで十分です。「プリントは机に残っていたね。次はどのタイミングで入れようか」と、起きたことと次にどうするかだけを話します。「ちゃんとしよう」で終えるより、「宿題が終わったら連絡袋に入れ、かばんへ戻す」と決める方が、次に何をするかが具体的になります。

提出忘れ・持ち帰り忘れは、学校での手順も確認する

持っているのに提出できないときは、時間と場所を確かめる

提出物がかばんに入っていても、学校で出せるとは限りません。本人が「かばんのどこにあるか」と「いつ・どこへ・誰に出すか」を知っているか、家を出るときの確認とは別に確かめましょう。

「朝、教室に着いたら箱に入れる」「先生に直接渡す」など、提出方法は学校や提出物によって異なります。「宿題と保護者の方からの書類は同じ場所でよいのか」など、提出物ごとの違いも確かめましょう。本人の説明だけでわからない場合は、担任に尋ねます。

方法がわかっていても提出し忘れる場合は、提出時に気づける合図や、メモの置き場所を相談する方法もあります。例えば、連絡袋にメモがあっても提出時に袋を開かないなら、そのメモには気づけません。教室での流れに合う置き場所や方法を、学校と相談しましょう。

プリントが戻ってきたときも、すぐに提出忘れと決めつけず、未提出なのか、提出後に返されたのかを本人に確かめます。ご家庭だけで判断できなければ、その点を含めて学校に確認してください。

持ち帰り忘れや連絡帳の空欄は、確認方法を学校と決める

持ち帰り忘れは、「学校に置いてよい物」と「その日に持ち帰る物」を分けて考えます。同じ教科書でも、その日の宿題で使うかによって確認する内容は変わります。手元にない物を全て忘れ物として扱わず、学校の指定を確かめましょう。

連絡帳が空欄だったり、宿題に必要な教材が手元になかったりすると、ご家庭だけでは翌日の準備を確認できません。学校が指定する連絡手段を使い、必要に応じて次の点を相談します。

  • 持ち物や宿題は、連絡帳、配信、お便りのどこで確認するのか。
  • 連絡帳に記録がないとき、ほかに確認できる情報があるか。不明な場合はどう連絡するか。
  • 帰りの準備で、本人は何を見て持ち帰る物をそろえているか。
  • 持ち帰る物のメモを使う場合、帰りの準備のどの場面で確認するか。そのときに見られるよう、どこに置くか。

大きな字のメモをつけても持ち帰れない場合は、メモをさらに目立たせるだけでなく、見る機会があるかも確認します。メモは見ているのに教材を机や棚から取り出せていないなら、その後の動作を見直します。ご家庭では見えない部分なので、帰りの準備の様子を学校に尋ねましょう。

担任には、できていることと困る場面を短く伝える

担任への連絡は、「ご家庭で確認できたこと」と「学校に相談したい点」を分けると伝えやすくなります。実際に見ていない場面は断定せず、状況に合わせて次の文例を書き換えてください。

提出忘れの相談例:
「宿題は自宅で終え、連絡袋をかばんに入れたことまで確認していますが、未提出のまま戻ることがあります。提出の時間と場所を確認させてください。本人が気づける合図や、メモを置ける場所も相談できればと思います。」

持ち帰り・連絡の相談例:
「連絡帳が空欄の日があり、翌日の持ち物を確認できずにいます。配信で確認できる範囲と、不明な場合の確認方法を教えていただけますか。また、持ち帰る物のメモも使っていますが、学校で見ているかはわかりません。帰りの準備の様子について相談したいです。」

学校に毎日の全ての持ち物確認を求めるのではなく、困る場面を絞って相談します。学校で確認できる部分と、ご家庭で担当する部分を分け、「連絡をどう記録するかは学校に相談し、その記録を見てかばんに入れるところはご家庭で確かめる」など、役割を具体的に決めましょう。

生活や授業への支障が続くときは、困る場面を伝える

忘れ物の回数だけで正常・異常を判断したり、病名を推測したりはできません。授業で必要な物を使えない、終えた宿題を提出できない状態が続くなど、実際に困っている場面をもとに、学校と状況を共有しましょう。

本人が強く困っている場合や、ご家庭での確認の負担が大きい場合も相談して構いません。一定期間待ったり、全ての対策を試し終えたりする必要はありません。

  • いつ、何を、どの場面で忘れたか。
  • ご家庭でどこまで確認できたか。
  • 試した方法と、そのときの様子。
  • 本人が困っていることや、ご家庭の確認負担。

例えば「月曜日、宿題のノートが未提出で戻りました。前日に連絡袋へ入れたことは確認しています。本人は提出する場所がわからなかったと話しています。」と、事実と本人の説明を分けて伝えます。相談のために記録をそろえる必要はありません。

担任と話しても困りごとが続く場合や、話しにくい場合は、養護教諭やスクールカウンセラーなどに相談する方法もあります。相談できる担当者や相談方法は、学校に確認してください。地域の相談先を探すときは、文部科学省の「子供のSOSの相談窓口」も利用できます。子ども本人や保護者の方が相談できる窓口の案内であり、忘れ物の判断基準を示すものではありません。

忘れた当日は、学校の決まりと必要性から対応を決める

届ける・届けないを一律に決めず、その日の必要性で考える

忘れた物を届けるかどうかは、「毎回届ける」「絶対に届けない」と一律に決めなくて構いません。学校の決まりを基本に、安全や健康に関わるか、その日に必要か、代わりの用意ができるか、ご家庭で対応できるかを分けて考えます。

  1. 学校の案内を確認します。届け物の可否、事前連絡の方法、受け渡す場所などに従います。
  2. 安全・健康に関わる場合は、学校への連絡と対応確認を優先します。「困る経験をさせるかどうか」とは分けて判断します。
  3. その日の授業や活動で必要かを確認します。行事の持ち物などで参加に影響する場合は、学校に対応を尋ねます。
  4. 学校で代わりを用意できるか、別の対応が可能かを確認します。貸し出しを利用できるかをご家庭だけで判断せず、学校の案内に従います。
  5. 届ける必要がある場合も、保護者の方が対応できる範囲を伝えます。届けられないときは、その事情を伝え、学校と対応を相談します。

例えば、水筒を忘れ、暑い日の活動で飲み水の確保が心配な場合は、学校に連絡して対応を確認します。通常の学用品で、学校の決まりに沿って貸し出しなどを利用できる場合は、その案内に従います。提出期限のある書類なら、いつまでに、どのような方法で提出すればよいかを確認しましょう。

すでに通常の学用品の忘れ物対応が学校から案内されている場合は、その範囲で対応できます。全ての忘れ物について毎回連絡するのではなく、案内では判断できないことや、安全・健康に関わることを確認しましょう。届けるかどうかだけで、自立をどう支えるかまで決める必要はありません。

先生に困っていることを伝える言葉を用意する

登校前に忘れ物に気づき、その場で用意できる物なら、かばんに入れます。用意できない場合は、「先生に『○○を持ってこられませんでした。どうしたらよいですか』と伝えよう」と声をかけます。学校で忘れ物に気づいた場合も、何を忘れたかを先生に知らせ、どうすればよいか尋ねる言葉を用意しておきましょう。

本人が伝える言葉の例:
「算数のノートを忘れました。今日はどうしたらよいですか。」
「水筒を忘れました。飲み水はどうすればよいですか。」
「提出するプリントを持ってきましたが、どこに出すのかわかりません。」

登校後に無断で自宅へ取りに戻ることはせず、まず先生に知らせ、学校の指示に従うことを本人と確認しておきましょう。本人だけでは伝えにくい場合は、学校の連絡方法に沿って保護者の方から事情を補足できます。

帰宅後は、忘れたことだけでなく、その日にどう対応したかも確かめます。「先生には伝えられた?」「ノートの代わりに書いた物はある?」と確認し、学校から指示された対応があれば、次の準備に含めます。見直しまで行う余裕がない日は、必要な対応だけにとどめて構いません。

宿題や教材を学校に置いてきたときは、学校の方針を確認する

宿題に使うプリントや教材を持ち帰れなかった場合は、まず連絡帳や配信など、手元で確認できる情報を見ます。課題の内容がわからないのか、内容はわかるものの教材がないのかを分けて考え、学校が指定する方法で事情を伝えましょう。

連絡の例:
「宿題のプリントを学校に置いてきたため、取り組めていません。どのように対応すればよいか確認させてください」

学校に確認せず、市販のプリントなどを宿題の代わりにすることは避けます。すぐに連絡できない場合は、連絡できる時点で事情を伝え、学校の方針に沿って対応してください。その間に、手元の教材でできる別の課題や翌日の準備を進めても構いません。ただし、それを忘れた宿題の代わりにする必要はありません。

放課後に取りに行く場合も、無断で校内へ入らず、事前に学校の許可や受け取り方法を確認します。取りに行けない場合は、そのことを伝えて対応を相談しましょう。

参考情報

監修:新興出版社啓林館 坂本陽一