音読
日付
2026/10/17

音読にはどんな効果がある?小学生の宿題をご家庭で見守る聞き方のポイント

音読にはどんな効果がある?小学生の宿題をご家庭で見守る聞き方のポイント

「音読を聞いてサインをしてください」と言われても、何を聞けばいいのか分からない。そんなふうに感じている保護者の方は少なくありません。上手い・下手を採点するわけではないのに、毎日の宿題だからこそ、どう聞けばよいか迷いがちです。

結論から言えば、音読の宿題は「採点の時間」ではなく「読みの状態を確かめる時間」です。小学校の学習指導要領では、学年ごとに音読で取り組むことが学習内容として示されており、宿題はその練習の機会として位置付けられています。

「脳が活性化する」「成績が上がる」という話を目にすることもありますが、そうした医学的な効果や学力の保証を根拠にしなくても、音読の意味は説明できます。学校で習う順序に沿ってねらいを知ると、保護者が何を聞けばよいかも分かりやすくなります。

とくに小学1年生から小学4年生ごろは、音読が宿題の中心になる時期です。聞く観点は学年で変わり、つまずきの原因によっても対応が変わります。ねらいと聞き方の目安が分かれば、今夜から音読を「確かめる時間」として捉えやすくなります。

音読の宿題にはどんなねらいがある?まず知りたい「効果」の受け止め方

音読のねらいを知るいちばん確かな手がかりは、文部科学省の小学校学習指導要領(国語)です。国語では、学年の段階に応じて音読の学習内容が示されています。

ねらいは、子どもの教科書とノートからも確かめられます。教科書の目次で、いま習っている教材が物語文か説明文か、単元のどの位置にある教材かを見てみましょう。授業で読んだ範囲には、ふりがなや区切りの線、ノートへの記録が残っていることが多く、ご家庭でどこを聞くかの手がかりになります。

小1・小2:語のまとまりや言葉の響きに気を付けて読む練習

学習指導要領では、小1・小2の音読は「語のまとまりや言葉の響きに気を付けて」行うことが学習内容とされています。「わ・た・し・は」と一字ずつ区切るのではなく、「わたしは」のように、ことばのかたまりを意識して読む練習です。

同時に、教科書の物語や詩を声に出して読み、ことばのリズムや響きに親しむ時期でもあります。速さや上手さより、「ことばのかたまりで読もうとしているか」が学習の中心です。

小3・小4:文章全体の構成や内容の大体を意識して読む練習

小3・小4になると、「文章全体の構成や内容の大体を意識して」音読することが学習内容になります。場面の変わり目や段落のまとまりを意識しながら、話の流れに沿って読む練習です。

低学年の「ことばの響き」から一段進んで、内容をとらえながら読む段階に入ります。教科書の教材も、物語文に加えて説明文が増え、事実や手順を確かめながら読む題材が加わります。読む速さが上がっても、内容を理解しながら読めているかを確かめる時期です。

小5・小6:黙読や発表のための読みへ広がっていく

学校では学年が上がるにつれ、読みの学習は黙読や発表のための読みに広がっていきます。内容に応じて声の強弱や速さを調節して読むことは、聞き手に伝わる読み方の基本で、発表の場面でも役立ちます。

「音読の宿題はいつまで続くの?」という疑問への答えもここにあります。学年が上がると読みの中心は黙読に移り、宿題としての音読は減っていきます。これは自然な流れで、音読が不要になったわけではありません。読みがスムーズになったあとも、難しい文章や内容を確かめたい箇所では、声に出して読むことは内容を確かめる方法の一つとして残ります。

「脳にいい」「成績が上がる」とは書けないけれど、音読で確かめられること

インターネットには「音読で脳が活性化する」「成績が上がる」といった情報もあります。ただ、医学的な効果や学力向上の保証を、音読の宿題の意味を説明する根拠にすることはできません。学習指導要領が示しているのは、あくまで学校で習う「読みの学習」の順序です。

それでも、音読では黙読だけでは分かりにくいことを確かめられます。声に出して読むと、黙読では見えにくい読み飛ばしや読み間違いに気づきやすくなります。聞く側にとっても、子どもが今どのくらい読めているか、どこでつまずいているかを確かめられる機会になります。

つまり音読の宿題は、「できた・できない」を判定するテストではなく、読みの状態を確かめる時間です。この考え方を持っておくと、何を聞き、どう声をかけるかも考えやすくなります。

【学年別】ご家庭で音読を聞くときの観点と「できた」の確かめ方

サインを求められたとき、「上手に読めたね」と言う以外に何を見ればいいのでしょうか。聞く観点は学年で変わります。学習指導要領が示す学年ごとのねらいが、ご家庭で何を聞くかの手がかりになります。

低学年(小1・小2)の聞く観点:語の切れ目と響き

低学年では、「語の切れ目で不自然に止まりすぎないか」「ことばの響きを楽しめているか」の2点が聞く観点です。一字ずつの読みから、ことばのかたまりでの読みへ移っていく途中段階を見守ります。確かめやすいのは、「は・が・を」のような助詞が前のことばとつながって聞こえるか、読点でいったん間を取れているかの2点です。

ご家庭での見え方:
「お・かあ・さん・が」のように一字ずつ区切って読むのは、この時期にはよく見られる読み方です。回数を重ねるうちに「おかあさんが」とかたまりで読める箇所が増えていきます。止まってしまう場所が毎回同じなら、そのことばにまだ読み慣れていないサインです。

声かけは「今日できたところ」を1つ拾うだけで十分です。「いま『おかあさんは』って、ことばがつながって聞こえたよ」「リズムよく読めていたね」のように、聞こえた変化をそのまま言葉にします。

中学年(小3・小4)の聞く観点:話の流れと内容の大体

中学年では、「話の流れに沿って読めているか」「内容の大体をつかんで読めているか」が観点になります。すらすら読めること自体より、内容を意識した読みになっているかを聞きます。説明文では、「だから」「しかし」など接続のことばの前で間が取れていると、話の流れに沿って読めている手がかりになります。

ご家庭での見え方:
読みは滑らかになる一方で、場面が変わっても同じ調子で読み続けることがあります。段落の変わり目や、会話と地の文の切り替わりで間が取れているかに注目してみてください。読後に内容を聞いて「覚えていない」という場合は、読むことだけで精いっぱいになっている可能性があります。

声かけの例です。「場面が変わるところで、少し間が取れていたね」「今日は最後まで止まらずに読めたね」など、聞く場面では読み方の変化を1つ伝えれば十分です。

高学年(小5・小6)の聞く観点:聞き手に伝わる読みか

高学年では、「聞き手に伝わる読みになっているか」が観点です。説明する部分は落ち着いて、セリフは気持ちを込めて、というように、内容に合わせて読み分けられているかを聞きます。

ご家庭での見え方:
セリフと地の文、説明の部分とで声の調子が変わっているかに耳を傾けます。物語なら登場人物の気持ちに合わせた声、説明文なら要点を落ち着いて伝える声になっていれば、聞き手を意識した読みの手がかりです。同じ調子のまま読み進む場合は、まだ読み分けに慣れていない段階です。

声かけの例です。「説明しているところは落ち着いた声で、セリフは気持ちがこもっていたね」。高学年には、聞き手として感じたことをそのまま伝える声かけが合いやすいです。

「採点」ではなく「今日の1つ」を確かめる聞き方

どの学年でも共通するのは、上手い・下手の判断をしないことです。100点の読みを目指す必要はなく、「今日できたところ」を1つ確かめて言葉にする聞き方で十分です。

全部を聞く時間がない日は、一段落だけ聞いて「今日はここが聞けたよ」と伝える形でも構いません。確かめる範囲を絞ると、聞く側の負担も、読む側の緊張も減ります。

読み方・意味・拒否の3つで切り分けるつまずきの原因と対応

同じ「できない」でも、原因によって対応が変わります。読み方のつまずきなのか、意味のつまずきなのか、それとも音読自体への拒否なのか。まず3つに切り分けてから、今日の対応を決めましょう。

原因の見分け方:読み方・意味・拒否を6つのタイプで見る(原因別表)

3つの原因を、ご家庭で見分けやすいように6つのタイプに分けたのが次の表です。小1〜小4の教科書の物語文・説明文の音読を想定した目安で、診断の基準ではなく、目安としてまとめたものです。今日見られた様子に近い行を探してみてください。

原因のタイプご家庭で見えるサイン最初に確認すること今日の最初の対応
読み方のつまずき(文全体)一字読みになる・たどたどしい・同じ文を読み直すその教材を授業で読んだか(教科書の書き込みやノート)短く区切り、保護者の方が先に読んでから続けて読む
読み方のつまずき(特定のことば)毎回同じことばで止まるその語が新しく出てきた語か、ふりがながあるかその語だけ抜き出して一緒に読む
読み飛ばし・読み間違い語尾や助詞を飛ばす・読み違える急いで読んでいないか、一文ずつ文字を追えているか一文に絞って指で追いながら読み、保護者の方の読みを先に聞く
意味のつまずきすらすら読めるのに、読んだ内容を話せない場面の変わり目や段落で間を取れているか読後に「どんな話だった?」と一言だけたずねる
拒否(気持ち)読みたがらない・恥ずかしがって声が小さくなる一人なら読めているか、聞いている人が多くないか聞く人を一人に絞り、交代で読むかどうか本人に選ばせる
拒否(コンディション)疲れていて声が出ない・座っていられない睡眠・食事・その日の学校での出来事音読より先に休ませつつ、今日は保護者の方が読んで聞かせる

どれか1つにきれいに分かれない日もあります。その場合は、負担の少ない拒否への対応(条件を変える・聞き役に回る)から試してみてください。

読み方のつまずき:短く区切って保護者の方が先に読む

一字読みやたどたどしさが目立つときは、読む範囲を短く区切ります。一文または一段落に絞り、まず保護者の方が読んで聞かせ、その後で子どもが同じところを読む流れです。

「長いね。じゃあ、まずこの段落だけにしよう。お母さんが先に読むから聞いていて。……はい、じゃあ今度は〇〇の番だよ。」

先にお手本を聞くことで、ことばのかたまりや区切り方が分かりやすくなります。読み直しを何度も求めるより、「聞いてから読む」を短く繰り返す方が、子どもの負担は小さくなります。

どこから読めなくなったかが分からないときは、次の順番で戻る地点を探します。算数でつまずいたときに例題へ戻るのと同じ考え方です。

  1. 教科書の目次で、いま習っている教材とその前の教材を確認する
  2. 授業で使ったノートや教科書の書き込み(ふりがな・区切りの線)を見て、授業で読んだ範囲を確かめる
  3. 例題に相当する短い文(一文・一段落)から、読めるかどうか試す
  4. 読めたら、練習問題に相当する全文へ、段落を増やしながら進める

授業で読んだはずの箇所で止まるならその文から、短い文でも止まるならその語から始めます。戻る地点さえ決まれば、あとは「聞いてから読む」の繰り返しです。

意味のつまずき:読後に一言だけたずねる

すらすら読めるのに内容を話せないときは、読むこと自体に集中していて、意味の確認が追いついていない状態です。まずは、読後に「どんな話だった?」と一言だけたずねます。

「最後まで読めたね。ひとつだけ聞いていい?この話、どんな話だった?」

進め方の順番を決めておくと、質問攻めにならずに済みます。

  1. 読み終わるまで、内容の質問はしない
  2. 読後に「どんな話だった?」を1問だけたずねる
  3. 答えに詰まったら「いちばんおもしろかったところは?」に換える
  4. それでも難しければ、教科書の挿絵を見ながら場面を一緒に振り返る

質問はテストではなく確かめのためです。答えられなかった日は「また今度聞かせてね」と終えて構いません。

拒否:量・場所・タイミングを変える。今日は聞き役に回る

読みたがらない、恥ずかしい、疲れている。こうした場合は、読み方の練習より先に条件を変えてみます。量(今日は一段落だけ)、場所(いつものリビングではなく別の部屋)、タイミング(食後すぐではなく少しあと)の3つが変えやすい条件です。

「今日は疲れてそうだね。じゃあ、お父さんが読むから聞いていてくれる?サインのところには、お父さんが読んだって書いておくね。」

それでも難しい日は、保護者の方が読んで聞かせる形に切り替えます。聞くだけでも、音に触れる学習になります。「読まなかった=ゼロ」ではなく、「聞く日」に切り替えても構いません。

疲れが理由らしいときは、音読の練習より先に、その日の条件を確かめます。ここで見るのは医学的な判断材料ではなく、その日の量やタイミングを決めるための手がかりです。

  • 昨夜の寝つきと今朝の起き方
  • 食事の時間(空腹のまま、または食後すぐで眠そう)
  • その日の学校での出来事(行事や休み時間の過ごし方)
  • 習い事や運動のあとかどうか

「読みたくない」と強く言うときは、変えられる条件(量・場所・タイミング)のどれを変えるかを子どもに選ばせます。「全部読む?一段落だけにする?」「ここで読む?自分の部屋で読む?」のように2択で聞きます。選んだ条件が合わなければ、また一緒に変えれば構いません。

声をかけても返事がないときは、次のような短いやり取りで進めます。

保護者の方「音読、聞くよ。今日はどこから読む?」
子ども「……」(返事がない)
保護者の方「いまは難しそうだね。いま読むか、ごはんのあとにするか、どっちがいい?」
子ども「ごはんのあと」
保護者の方「分かった。じゃあ、あとで声をかけるね」

翌日――保護者の方「昨日は疲れてたのかな。今日は、ごはんの前とあと、どっちが読みやすそう?」

返事がないときは、声を強めるより選択肢を2つに絞って尋ねます。それでも難しい日はその日のうちに結論を出そうとせず、翌日にタイミング自体を見直します。

「始めない」「続かない」「読めずに止まる」「約束を守れない」時の次の行動

同じ「音読が進まない」でも、今夜どの場面で止まっているかによって保護者の方の次の行動が変わります。4つの場面に分けると、次のようになります。

今夜の場面保護者の方の次の行動
音読を始めない理由を問い詰めず、「いま読む?ごはんのあとにする?」と開始の2択を出す
始めるが続かない続けるよう促すより、区切り(一段落など)まで読めたことを確かめて終える
読めずに止まる止まった語や文を保護者の方が読んで聞かせ、同じところをもう一度読んでもらう
決めた時間や約束を守れない罰を出すのではなく、翌日以降に時間帯・順番・量のどこを変えるか本人と見直す

どの場面でも、できなかったことの指摘で終わらせず、次に試すことを1つ決めて終えます。

つい指摘してしまう日のために。責めない声かけと保護者の方の手放しどころ

音読の時間にイライラしてしまうことは珍しくありません。多くの場合、「毎日全部、完璧に聞かなきゃ」という思い込みと、夕方の時間のなさが重なって起きます。言い方を少し変えると、子どもの受け止め方も聞く側の負担も変わります。

「直す指摘」を「気づきの共有」に言い換える

間違いに気づいたとき、「違うよ」と頭ごなしに直すと、子どもは読むこと自体が嫌になりやすくなります。代わりに、まずできたところを伝え、その後で気づいたことを共有します。

  • 「違うよ」→「いまのところ、お話の区切りが分かってきたね。ここはもう一度一緒に読んでみる?」
  • 「さっきから同じところで止まってるよ」→「このことば、まだ読み慣れていないみたいだね。お母さんが読むから聞いていて」
  • 「もっと大きな声で」→「聞き取りやすかったよ。最後の一文だけ、もう少し声が出るともっと伝わるね」

共通しているのは、「悪いところの指摘」ではなく「聞こえたことの共有」から始めることです。指摘は1か所に絞り、直せなくてもその日はそこで終わりにします。

うまく読めなかった日の声かけ例

うまく読めなかった日こそ、結果ではなく取り組みを言葉にします。「今日は最後まで読めたね」「止まっても自分で読み直せたね」など、評価ではなく、子どもが実際にやった行動を述べるとよいでしょう。

ご家庭での見え方:
つい指摘してしまった日は、翌日の音読の前に「昨日はごめんね。今日は聞くことに集中するね。」と一言伝えると、子どもの緊張も和らぎやすくなります。完璧な聞き役でなくても、あとから言い方を直せる関係であることが、子どもの安心につながります。

毎日完璧に聞けなくてもいい。短く区切る・曜日で分ける

聞く側の負担を減らす方法は3つあります。1つ目は「短く区切る」。全部ではなく一段落だけ聞く日を作ります。2つ目は「曜日で分ける」。週のうち何曜日は全文、何曜日は一部と決めてしまいます。3つ目は「聞けた日だけ確かめる」。聞けなかった日は翌日に回し、できなかったことを責めないルールにします。

どの方法も「手を抜く」のではなく、続けられる形に整える工夫です。保護者の方が無理なく続けられる形なら、子どもも取り組みやすくなります。

聞けた範囲が一部だった日は、サインに一行添えると学校にも状況が伝わります。「今日は前半まで聞きました」「今日は保護者が読んで聞かせました」といった書き方です。聞けた範囲を共有することで、学校とご家庭の両方で無理のない調整がしやすくなります。

見守っていい範囲と、学校に相談したほうがいい目安

「このまま放っておいていいのか」「相談したほうがいいのか」。音読の様子を見ていていちばん迷うのがこの線引きです。見守っていいサインと、相談を考えたいサインには、それぞれ目安があります。

見守っていいサイン:日による波・恥ずかしがり・たどたどしさの時期

日によって読みの調子に波がある、恥ずかしがって声が小さくなる、たどたどしい時期が続く。これらは多くの場合、見守る範囲です。読みの上達は直線ではなく、進んだり戻ったりを繰り返します。

  • 昨日は読めたのに今日は止まる、という日による波がある
  • 保護者の方の前だと恥ずかしがるが、一人では読めている様子がある
  • 新しい教材に入った時期だけ、たどたどしさが増える

相談を考えるサイン:続く強い拒否・授業でも困っている様子

一方、相談を考えたいのは次のような場合です。

  • 音読への強い拒否が長期間続いている
  • 読みの困難さが、授業や学校生活でも続いている様子がある
  • 短く区切る・条件を変える工夫をしても、状態が変わらない期間が続く

大切なのは、ご家庭で医学的な判断をしないことです。「何かの障害なのでは」と検索して断定するより、まず学校の担任に相談するのが基本です。学校側は授業での様子を知っており、必要に応じて校内の相談体制や専門の窓口につないでくれます。

まず誰にどう伝えるか:担任への伝え方と観察メモの記入例

相談の際は、印象だけでなく「何を、どのくらいの期間見てきたか」を伝えると、学校側も状況を把握しやすくなります。そこで使えるのが、音読の様子を記録しておく観察メモです。以下は記入例で、研究結果や達成基準ではありません。

記入例:
日付・読んだ範囲・気づいたことを1行ずつ書くだけの簡単なメモです。

日付読んだ範囲気づいたこと(1行)
5/12国語の物語文・前半一字読みが多いが、最後まで読めた。
5/14後半「きょうしつ」という語で毎回止まる。
5/16説明文・1段落のみ疲れた様子。母が代わりに読んで聞かせた。

1日1行で構いません。このメモがあれば、「2週間前から同じ語で止まっている」といった具体的な伝え方ができます。担任への連絡は、連絡帳や電話など学校が案内している方法で構いません。「音読の様子で相談したいことがあります」と切り出し、メモを基に期間と様子を伝えます。進級時の見直しにも同じメモが使えます。

あわせて、学校に伝える項目を次の4つに絞っておくと、短い時間でも要点を共有できます。

  • いつから・どのくらいの頻度か(例:「4月ごろから」「この2週間はほぼ毎回」)
  • 教科と教材(国語のどの教材か、物語文・説明文のどちらで止まるか)
  • ご家庭で試したこととその結果(短く区切る、保護者の方が先に読む、時間帯を変える、など)
  • 学校で知りたいこと(授業の音読ではどう見えるか、国語以外の読みではどうか)

音読の時間を生活に組み込む工夫。ゲームとの両立と飽き対策

音読が続かない理由の多くは、読み方そのものではなく、生活の中でいつ取り組むかという問題です。ゲームや遊びとの両立、毎日同じ題材への飽き。続けるには、生活の中で無理なく取り組める時間を決めておく工夫が欠かせません。

時間と順番は子どもと話し合って決める(ゲームとの両立)

北海道教育委員会の家庭学習に関する資料では、家庭学習の時間の目安や目標・優先順位を子どもと話し合って決めることが提案されています。目安は各ご家庭・地域・子どもの実態に応じて設定する参考資料で、一律の基準ではなく、進級などの節目に見直すものとされています。

この考え方を音読に当てはめると、「何時に・どこで・何の前に読むか」を保護者の方が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に決める形になります。ゲームの前に置くか後に置くかも本人に選ばせると、「やらされている感」が減り、拒否が起きにくくなります。

「音読って、ゲームの前に終わらせたい?それとも、ゲームのあとがいい?どっちが続けやすい?」

決めたあとも、進級や習い事の変化に合わせて、あとから見直してよいことを伝えておきます。「一度決めたら絶対」ではなく、合わなくなったら変えられる約束にするのが続けるコツです。

「ゲームの前に音読」と決めたのに守れなかった日は、罰としてゲームを取り上げたり音読の量を増やしたりするのではなく、ルールのどこを見直すかを考えます。見直す候補は4つです。

  • 順番:ゲームの前で合わないなら、あとに変える
  • 時間帯:習い事の日と、ない日とで分ける
  • 量:守れなかった日は全文ではなく一段落にする
  • 場所:リビングで気が散るなら、別の部屋に変える

声かけは「約束を破ったね」ではなく、「この順番だと難しかったね。どこを変えたらやりやすい?」。守れなかった原因を子どもだけの問題にせず、ルールのどこが合わなかったかを考えると、次の約束を決め直しやすくなります。

帰宅から音読が終わるまでの流れ例(低学年・中学年・高学年)

一日のどの時間に音読を取り入れるかの参考例です。ここに示す順番や時間帯はあくまで例であり、各ご家庭・地域・子どもの実態に応じて設定するもので、一律の基準ではありません。進級や習い事の変化などの節目に見直してください。

低学年(小1・小2)の流れ例:
帰宅→手洗いと軽い休憩→疲れが出る前に音読(数分。全部でなく一段落でも。)→自由遊びやゲーム→夕食→翌日の準備→就寝。低学年は、疲れる前の早い時間に短く取り組む例です。

中学年(小3・小4)の位置づけ:
低学年の流れを軸にしながら、黙読の学習が増えるのにあわせて音読する時間帯を調整していく時期です。帰宅後の早い時間に短く取り組む形から、夕食後の学習の中に組み込む形へ、子どもの様子を見ながら調整していきます。

高学年(小5・小6)の流れ例:
帰宅→休憩→習い事や自主学習→夕食→黙読中心の学習の中で、難しい文や内容を確かめたい箇所だけ声に出して読む→翌日の準備→就寝。高学年は、音読を独立した宿題としてではなく、確かめたい場面で使う読み方として組み込む例です。

どの学年でも、始める時刻を厳密に守ることより、一日の中で取り組むタイミングを決めておくことから始めてみてください。

題材は基本いつもの教科書。飽きたら形式を変える

音読の題材は、基本は学校で習った教科書の範囲です。学校の学習とつながっているからこそ、読みの状態の確認になります。千葉県教育委員会の家庭学習の手引きでも、学校で習った学習を確認する参照先として、各学年の内容例や自主学習のヒントが示されています。

それでも毎日同じ読み方では飽きてしまいますので、題材ではなく読み方を変える方法があります。

  • 一文ずつ交代で読む
  • 登場人物ごとに役割を分けて読む
  • 時々は短い詩や、子どもの好きな読み物を挟む

どれも教科書を軸にしながら、読み方に変化をつけて飽きにくくする方法です。

読みの練習に使える教材を探したい場合は、ナビクロのプリント一覧も参照先の1つです。掲載内容や特定の単元の有無は時期によって変わるため、最新の一覧をご確認ください。

作文・日記の「書く」練習や漢字暗記とは分けて考える

音読は「読み」の練習です。作文や日記のような「書く」練習、漢字の書き取りのような「覚える」練習とは、目的が異なります。同じ国語の宿題でも、混ぜて一度にこなそうとすると、どれも中途半端になりがちです。

「書く」練習なら「小学生 作文 書き方」「日記 書き方 小学生」、漢字の練習なら「漢字 覚え方」が参考になります。音読の時間は読みの確認に絞ることで、短い時間でも役割がはっきりします。

おわりに:音読は「採点」ではなく「確かめる」時間

音読の宿題は、上手い・下手を採点する時間ではありません。学校で習う順序に沿って、子どもの読みの状態を確かめ、「今日できたところ」に気づく時間です。医学的な効果や成績の保証がなくても、確かめる価値は十分にあります。

今日から変えられる1つのこと

まずは、今夜の音読で「できたところ」を1つだけ言葉にしてみてください。「ここ、ことばがつながって聞こえたよ」「最後まで読めたね」。その一言だけでも、聞く側・読む側のどちらも音読を続けやすくなります。

参考情報

監修:新興出版社啓林館 坂本陽一