国語
日付
2026/10/17

小学生の作文の書き方を保護者向けに解説!題材選びから原稿用紙までの支え方

小学生の作文の書き方を保護者向けに解説!題材選びから原稿用紙までの支え方

原稿用紙の前で手が止まったまま、「何を書けばいいかわからない」と言う。作文の宿題が出ると、書き始めるまでに時間だけが過ぎていく。そんな子どもの様子に、どこから支えればよいのか迷う保護者の方は少なくありません。

「作文が書けない」原因はひとつの状態に見えて、実はいくつかのタイプに分かれます。原因が違えば、子どもへの声かけも対応も変わります。題材がない子に構成の説明をしても、前には進みません。

大切なのは、まず手が止まる原因を見分け、その原因に合ったところからサポートすることです。題材選び→材料メモ→構成→下書き→推敲→原稿用紙(清書)という順序に沿って進めると、代筆をせずに子ども自身の言葉で書き上げられるサポートになります。

作文で手が止まる原因を、まず見分ける

「書けない」の中身を見分けると、対応が変わります。まず代表的な4つのタイプを表で見比べ、その後、各タイプの見え方・声かけ例・最初の一手を確認します。子どもの様子に近いものから読み進めてください。

タイプご家庭で見えるサイン最初に確認すること最初の対応
題材がない「書くことがない」と言って手が動かない口で聞くと、心が動いた場面を話せるか会話で題材を1つ引き出す(「題材選び」の項)
話せるのに書けない口では話せるのに「どこから書くか」で止まる話の内容を5W1Hで整理できるか話を材料メモに箇条書きする(「材料メモ」の項)
文字を書くこと自体が負担内容はあるのに、書き取る行為で止まる・疲れる用紙のサイズ・量・運筆の負担が合っているか下書きと清書を分け、用紙を見直す(「下書き」「原稿用紙」の項)
うまく書こうとして止まる書いては消して、1行も進まない書きながら直そうとしていないか裏紙に内容だけを自由に書く(「下書き」の項)

題材がない:心が動いた場面が言葉になっていない

ご家庭での見え方:
「書くことがない」と言って原稿用紙を見つめたまま動かない。「今日、何かあった?」と聞いても「別に何もなかった」と答える。出来事自体はあるのに、心が動いた場面を言葉にできていない状態です。

声かけ例:
「今日、うれしかったこと、くやしかったこと、おどろいたこと、どれか1つある?」

最初の一手:
返事が「別に何もなかった」だけのときは、給食・休み時間・帰宅後など、場面を絞った選択肢に置き換えて聞きます。話が1つ出たらそこで止め、「題材選び」の項の手順に進みます。構成や段落の話は、題材が決まってからです。

話せるのに書けない:内容はあるが整理できていない

ご家庭での見え方:
口で聞くと楽しそうに話すのに、いざ書こうとすると手が止まる。「今の話を書けばいいよ」と言うと「どこから書けばいいかわからない」と返ってくる。内容はあるのに、それを文章に整理できていない状態です。

声かけ例:
「今の話、いつ? どこで? だれといたの?」

最初の一手:
話を止めずに聞きながら、「いつ・どこで・だれが」の3つだけをその場で箇条書きにします。3つそろったら「これが作文の材料になるよ」と見せて、「材料メモ」の項の手順に進みます。一度に全部を書き取ろうとせず、まず3点で止めます。

文字を書くこと自体が負担:用紙や量が合っていない可能性

ご家庭での見え方:
鉛筆を持つと「疲れた」と言う。字を書くのが遅く、マス目に書くこと自体を嫌がる。話す内容はあるのに、書き取るところで止まるなら、用紙のサイズや量、運筆の負担が合っていない可能性があります。

声かけ例:
「話すのは元気なのに、書くと疲れちゃう?」

最初の一手:
書く作業の前に、(1)用紙のマスの大きさと1回に書く量、(2)話すときと書くときで元気さに差があるか、(3)下書きと清書を分けられないか、の3点を確認します。量や用紙を調整してから書き始めます(選び方は「原稿用紙」の項参照)。

うまく書こうとして止まる:完成度を先に求めている

ご家庭での見え方:
書き始めては消し、書き直しを繰り返して1行も進まない。「へただから」と言って書くこと自体を嫌がることもあります。完成度を先に求めすぎて、書きながら直そうとして止まっている状態です。

声かけ例:
「最初からうまく書かなくていいよ。まず裏紙に思いついたまま書いてみよう」

最初の一手:
原稿用紙をいったん閉じ、裏紙に「一番伝えたいことを1文だけ」書いてもらいます。消してもよい、字が乱れてもよい紙だと伝えて始めると、完成度を気にせず書き始めやすくなります。1文書けたら、そのまま「下書き」の項の手順で全文に進みます。

4つのうちどれか1つにきれいに当てはまるとは限りません。ただ、原因が違えば必要な対応も変わります。題材がない子に段落の話をし、字を書く負担の子に質問を重ねても、進まないどころか負担を増やします。まずは、子どもの手の止まり方に近いタイプから試してみてください。

表と見比べてもどのタイプか決めかねるときは、数日分だけ観察メモをつけます。手が止まった場面と、そのときに試したことを短く記録するだけで傾向が見えやすくなり、学校へ相談するときの材料にもなります。

記入例:
記入例です。項目は子どもの様子に合わせて増減して構いません。

  • いつ:○月○日の宿題の時間。始めてから10分ほどで手が止まった
  • 様子:「書くことがない」と言って原稿用紙を見ている。鉛筆は持てている
  • 試したことと結果:「今日うれしかったことは?」と聞くと、休み時間の遊びの話が出た
  • 次に試すこと:出てきた話を材料メモに書き出す

学校ではこの順序で習う:学年ごとの作文の目安

ご家庭で「どこまで求めるか」を決める目安になるのが、学校で習う順序です。文部科学省の「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」では、書く力を低・中・高学年の段階で育てることが示されています。

低学年:書くことを見つけ、伝えたいことを明確にする

低学年(小学1・2年生)は、経験や想像から書くことを見つけ、伝えたいことを明確にして書く段階です。まず「書けた」ことを受け止め、伝えたいことが読み取れることを大事にします。

この段階で段落分けや文末の統一まで求める必要はありません。学校で習う順序より先のことを求めすぎないことで、書くことへの苦手意識も持ちにくくなります。

中学年:中心を決め、段落でまとめる

中学年(小学3・4年生)は、書くことの中心を明確にし、内容のまとまりで段落を作る段階です。理由や事例との関係を明確にすることも求められます。

「話のまとまりが変わるところで段落を分ける」という考え方に触れ始める時期です。段落の目安は「構成」の項でも扱います。

高学年:相手や目的に合わせて書き、推敲する

高学年(小学5・6年生)は、相手や目的に応じた表現になっているか、推敲を通して確かめる段階です。「たのしかったです」の1文だけで終わらせるのではなく、読み手に伝わるよう書き直す経験を重ねます。

学年ごとの目安は、「求めすぎない・先取りしない」ための基準になります。低学年には段落や常体を求めすぎず、高学年には感想だけで終わらないよう見直しを促します。

教科書とノートの見返し方

子どもが作文でつまずいたときは、学校で習った型に戻って確認します。教科書の目次→授業で使ったノート→教科書の文例→練習、の順に見返します。

  1. 教科書の目次を開き、「書くこと」に関わる単元名や見出しを探します。単元名を覚えていなくても、目次の見出しからたどれます。
  2. 見つけた単元のページで、その学年で習う書き方の型(はじめ・なか・おわりなど)を確かめます。
  3. 授業で使ったノートを見返し、先生が板書した構成メモの欄や、書き方の順序を確かめます。
  4. 教科書に載っている文例や書き方の手順を読み、今の課題に当てはめられる部分を探します。
  5. 型の使い方に不安が残るときは、短い文章を書く練習で型だけを試します。

ご家庭では、ノートに残る構成メモと同じ欄(はじめ・なか・おわりなど)を紙に作って聞き取りに使うと、学校とご家庭で型のずれが起きにくくなります。

題材選び:特別な出来事でなく「心が動いた場面」を探す

題材が見つからない子には、特別な体験を探させるのではなく、日常の中の「心が動いた場面」を会話で引き出します。うれしい・くやしい・おどろいた・おもしろかった。小さな心の動きが、作文の題材になります。

会話で引き出す質問例(テーマ自由の場合)

  • 「今日、うれしかったことはあった?」
  • 「くやしかったこと、おどろいたことは?」
  • 「がんばったなと思うことは?」
  • 「最近、おもしろかったこと、笑ったことは?」

質問は一度に1つだけにします。答えが返ってきたら「それ、いつ?」「どこで?」と場面が見えるまで軽く聞き、見えたらそこで止めます。

返事がなくても、そこで畳みかけないことが大切です。声をかけて、返事がなければ選択肢に置き換え、それでも出なければ翌日に持ち越します。

会話例:
保護者の方「今日、うれしかったこと、くやしかったこと、おどろいたこと、どれか1つある?」
子ども「んー、わかんない」
保護者の方「じゃあ、給食でおいしかったもの、休み時間にした遊び、帰ってきてほっとしたこと、どれかならある?」
子ども「…どれもふつう」

ここで「本当は何かあったでしょ」と追いたくなりますが、その日は「そっか」と引き下がります。翌日、別のタイミングで「昨日の休み時間、何して遊んだ?」と聞き直せば十分です。題材は、一度の会話で決めなくても構いません。

テーマが決まっているときの絞り方

「夏休みの思い出」「運動会」などテーマが指定されているときは、その中で思いつく出来事を2〜3つ挙げてもらいます。そして「この中で一番、心が動いたのはどれ?」と聞き、1つに絞ります。

あれもこれも書こうとすると、一つひとつの場面が浅くなり、途中で手が止まりやすくなりますので、題材は必ず1つに絞ります。

聞きすぎ注意:話で満足させず材料はメモに残す

書く前にあれこれ聞きすぎると、子どもは話しただけで満足してしまい、いざ書く段階で気力が続かないことがあります。

会話は、材料メモに書き出せるだけの情報がそろったところで止めます。細かい情景や気持ちの掘り下げは、話す場面ではなく書く作業の中で行います。

材料メモ:話せることを箇条書きにする

話せるのに書けない子は、話の内容を「材料メモ」として箇条書きにすると、作文に移りやすくなります。作文ではなく、あくまでメモです。

5W1Hで書き出す(記入例)

子どもの話を聞きながら、いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どうした(5W1H)の順に箇条書きにします。

記入例:
見本として、次のようにメモします。

  • いつ:土曜日の午後
  • どこで:近所の公園
  • だれが:わたしとお父さん
  • なにを:自転車の練習
  • なぜ:補助輪なしで乗れるようになりたかった
  • どうした:何度もこけたけれど、夕方には一人でこげた

この記入例はあくまで見本です。丸写しではなく、子ども自身の出来事を同じ形でまとめます。

気持ちの言葉を添える

出来事の横に、そのときの気持ちの言葉を添えます。「こけた→くやしかった」「こげた→うれしかった、びっくりした」のように書き足します。

この気持ちの言葉が、作文の「おわり」で伝えたい内容になります。

保護者の方がメモを取るのは代筆ではない

保護者の方が話を聞いてメモに取ることは、代筆ではありません。話を聞いて整理するためのメモなら、手伝ってよい範囲です。

ただし作文の本文は、子ども自身が書きます。線引きの詳細は「手伝っていい範囲」の項でまとめています。

構成:はじめ・なか・おわりで骨組みを作る

材料がそろったら、骨組み(構成)を作ります。なお作文には体験作文のほか、高学年では意見を述べる作文もありますが、ここでは体験作文を中心に扱います。

まず「出来事」と「気持ち」を決める

はじめに書く「一番伝えたい出来事」と、おわりに書く「一番伝えたい気持ち」を、材料メモから1つずつ選びます。

決める順番は「はじめ→おわり→なか」です。なかから考え始めると迷いやすいので、はじめとおわりを先に決めます。

なかは時間順で肉付けする

なかの部分は、出来事を時間順に並べて肉付けします。「練習を始めた→何度もこけた→コツを教わった→少しずつこげた」のように、材料メモの出来事を順番に並べると自然な流れになります。

中学年以降は段落を意識する

中学年以降は、「話のまとまりが変わるところ」で段落を分ける目安を伝えます。時間や場面が変わるところが目印です。

低学年のうちに段落分けを求めすぎる必要はありません。学校で習う順序に合わせましょう。

構成メモの記入例

記入例:
先ほどの材料メモを使うと、構成メモは次のようになります。

  • はじめ(一番伝えたい出来事):土曜日、公園でお父さんと自転車の練習をした
  • なか(時間順):練習を始めた→何度もこけた→お父さんにコツを教わった→少しずつこげるようになった
  • おわり(一番伝えたい気持ち):一人でこげてうれしかった。もっと上手になりたい

この記入例も形の見本です。子どもの材料メモを同じ欄に当てはめて、本人の構成メモを作ります。

下書き:原稿用紙の前に、裏紙へ自由に書く

構成ができても、いきなり原稿用紙に書かせると止まりやすくなります。内容を考える作業と、句読点やマス目・漢字の表記ルールを守る作業を同時にこなそうとして、頭がいっぱいになるためです。

ルールは清書まで後回しにする

まず裏紙やノートに、句読点・マス目・漢字の正確さを気にせず、自由に書いてもらいます。わからない漢字はひらがなのまま進め、清書のときに確かめると、手を止めずに済みます。内容が固まってから、清書の段階でルールを確認します。

「内容を決める」「ルールどおりに写す」の2ステップに分けることがポイントです。

手が止まったら材料メモに戻る

下書きの途中で手が止まったら、原稿用紙や下書きの紙をにらむのではなく、材料メモを見直します。

声かけ例:
「次に書くことは、メモのどれだったかな?」

書いている間は指摘せず見守る

保護者の方は、書いている間は誤字や表現を指摘せずに見守ります。書いている最中に指摘をすると流れを断ち切り、「次は書きたくない」につながりやすいためです。

直しは次の「推敲」の段階で行います。

推敲:「ほめる→確かめる→1か所直す」で進める

書き上がったら見直し(推敲)をします。学習指導要領解説でも、推敲は相手や目的に応じた表現になっているかを確かめる作業とされています。ただし指摘が多すぎると見直しそのものが嫌になるので、「ほめる→確かめる→1か所直す」の順で進めます。

最初に良い点を具体的に伝える

最初に、保護者の方が良い点を具体的に伝えます。「よく書けたね」とひとことで終わらせず、良かった部分を具体的に伝えます。

声かけ例:
「『ハンドルがぐらぐらした』のところ、読んでいてドキドキしたよ」

音読して自分で確かめる

次に、子ども自身に音読してもらいます。つっかえたところは「ここ、読みにくかった?」と本人に確かめてもらいます。

ここでは、見直しのために音読します。直すかどうかの判断は本人に委ねます。

今回直すのは1か所に絞る

今回直すのは1か所に絞ります。確認の観点は次の4つです。

  • 誤字・脱字はないか
  • 文末が単調でないか(「〜でした」が続いていないか)
  • 1文が長すぎないか
  • 一番伝えたいことが入っているか

指摘を全部伝えると、「次は書きたくない」という気持ちにさせかねません。ほかの部分は、次回の作文で見直します。

原稿用紙:清書で押さえる基本ルールと用紙の選び方

清書の段階で、原稿用紙の使い方を確認します。

学校の指示が最優先

原稿用紙の使い方は、学校や担任の指示が最優先です。学校で指定された書き方がある場合は、そちらに合わせます。家庭で決めたルールを優先しないことが大切です。

清書で確認する基本ルール

一般的には、次のようなルールが使われます。

  • 題名は上を2〜3マスあけて書く
  • 段落の始めは1マスあける
  • 句読点は行頭に置かず、行末では文字と同じマスに入れる
  • かぎかっこは1マス使う
  • 小さい文字(ゃ・ゅ・ょ・っなど)も1マス使う

これらは下書きの段階ではなく、清書のときに確認します。

200字・400字のどちらにするかは子どもの様子で選ぶ

原稿用紙のサイズは、学年だけで機械的に決めません。(1)学校の指定があるか、(2)子どもが書ける量、(3)マスの大きさが負担になっていないか、の順で判断します。

文字を書く負担が大きい子には、マスの大きい用紙が合うことがあります。指定がないときは、書ける量に合わせて選びましょう。

手伝っていい範囲と、保護者の方のイライラとの付き合い方

「手伝いたいけれど、代筆にはしたくない」。ここでは線引きと段取り、保護者の方自身の気持ちの整え方をまとめます。

手伝っていいこと・避けたいこと

手伝っていいことは、次の4つです。

  • 質問で題材や思い出を引き出す
  • 話した内容を材料メモに書く
  • 構成の順番を一緒に確認する
  • 書き上がった作文を読んで感想を伝える

一方で、避けたいことは次の3つです。

  • 代筆する
  • 保護者の方の言葉へ全面書き換え
  • 保護者の方の価値観で題材をすり替える(「そんなことより、こっちを書きなさい」など)

どれも、子ども自身の言葉で書き上げる力を育てるための線引きです。

締切から逆算した日割りの段取り

締切から逆算して、「題材→材料メモ→下書き→清書」を日ごとに分けます。1日で全部やろうとすると、保護者の方も子どもも疲れてしまいます。

  • 1日目:題材を1つ決めて材料メモを作る
  • 2日目:構成メモと下書き
  • 3日目:推敲して清書

遊びや習い事のある日は前倒しにします。予定が整理できると、保護者の方のイライラも減らしやすくなります。

低学年と高学年:帰宅から終わりまでの流れの例

日割りの各日を、帰宅後から作文を終えるまでどう進めるかの例です。時間や手順はあくまで例で、一律の基準ではありません。子どもの疲れ具合や、その日の予定に合わせて変えてください。

低学年の例(題材決めと材料メモの日):
宿題の最初の時間を作文に使い、短く区切ります。

  1. 帰宅後の休憩のあと、宿題の最初の10分ほどを作文にあてます
  2. 「今日、うれしかったこと、くやしかったこと、どれか1つある?」と聞き、話は5分ほどで止めます
  3. 聞いた内容を保護者の方が5W1Hの材料メモに書き出します
  4. メモができたら「今日はここまで」と区切り、「いい話が聞けたね。これで明日書けるね」と具体的に一言伝えます

低学年は、一度に作文を仕上げようとせず、短い時間で「できた」を積み重ねる進め方が合いやすいです。

高学年の例(下書きと見直しの日):
保護者の方は進め方を確認し、読み手に回ります。内容は本人に任せます。

  1. 帰宅後、自分で材料メモと構成メモを開き、書く順番を確かめます
  2. 裏紙やノートに下書きをします。途中で止まったらメモに戻ります
  3. 書き上がったら自分で音読して確かめ、直すのは1か所に絞ります
  4. 保護者の方は書いている間は指摘せず、終わった後に読んで良い点を具体的に伝えます

進まない場面別に、保護者の方の次の行動を分ける

段取りを組んでも、その日の様子で進み方は変わります。作文の宿題でありがちな4つの場面ごとに、保護者の方がどう対応するかを整理します。

書き始めない(題材とメモがあるのに手が動かない):
最初にやることを少なくします。「材料メモを声に出して読む」「最初の1文だけ裏紙に書く」のどちらかを選んでもらい、選べたらすぐ始めます。それでも動かないときは、文字を書く負担のタイプに当てはまらないか、用紙や量を見直します。

始めるが続かない(下書きの途中でやめる):
表現や字を指摘せず、「次はメモのどれだった?」と材料メモを見せます。疲れが見えたら無理に続けず、そこで区切って、続きをする時間を一緒に決めます。

漢字や言葉が出てこず止まる:
その場で正しい字や言い回しに直そうとせず、「わからないところはひらがなで進めよう」と下書きのルールに戻します。確かめるのは清書のときで構いません。

予定どおりに進まない(日割りが守れない):
「約束したでしょ」と責めるのではなく、段取りのどこを見直すかに話を向けます。見直すのは、(1)1日の分量が多すぎなかったか、(2)習い事や遊びの日に作文の日が重なっていなかったか、(3)取りかかる時間帯は合っていたか、(4)題材・メモ・下書き・清書のどの工程で止まったか、の4点です。残りの日数で分け直し、間に合わないと判断したときは、早めに担任の先生に相談します。

口出ししたくなったときの代わりの一手

書いている様子をそばで見ていると、口出ししたくなるものです。そんなときは、指摘の言葉の代わりに材料メモを見せます。

声かけ例:
「それ違うんじゃない?」ではなく「メモの次は何だっけ?」とメモを指すだけにします。

指摘する代わりにメモへ戻るよう促せば、本人の考えを止めずに済みます。

それでも難しいときの相談先と、今日の最初の一歩

まず担任の先生へ:学校の型とのずれを確認

ご家庭で進めてもうまくいかないときは、まず担任の先生に相談します。学校で習っている型(構成メモの様式や原稿用紙の指定)と、ご家庭の進め方がずれていないかを確認します。

相談のときは、次の項目をメモにまとめておくと相談しやすくなります。

  • いつから続いているか:今回の課題だけか、作文の宿題のたびか
  • どの教科・課題で:国語の作文か、他の教科の記述式の課題でも同じように止まるか
  • ご家庭で試したこと:題材の聞き取り・材料メモ・下書きと清書の分離など、試したこととそのときの様子
  • 学校で知りたいこと:授業で使っている構成メモの型や原稿用紙の指定、授業中に書いている様子

原因の見分けの項目で紹介した観察メモをつけていれば、そのまま持参しても構いません。学校と家庭で進め方が違うと、子どもが混乱することがあります。進め方をそろえるだけで、書きやすくなることもあります。

困りごとが続く場合の相談窓口

書くことへの困難が学習面で広く続く場合は、公的な相談先を利用することもできます。文部科学省は、学習上の困りごとが続く場合の学校外の相談・支援機関を案内しています。また、発達障害者支援センターは、家族からの相談も受け付けています。

困りごとの原因をご家庭で断定することはできません。困りごとが続くときは一人で抱え込まず、学校や公的な窓口に相談してください。

今日の一歩:心が動いた場面を1つ聞く

書く練習の機会を増やしたい場合は、ナビクロのプリント一覧で学年・教科から学習プリントを探すこともできます。

今日まずやることは、「心が動いた場面を1つ聞いてメモに取る」ことです。夕食の時間でも、宿題の前でも構いません。「今日、うれしかったこと、くやしかったこと、おどろいたこと、どれか1つある?」と聞いてみてください。

参考情報

監修:新興出版社啓林館 坂本陽一