英単語
日付
2026/10/17

中学生の英単語の覚え方は?覚えられない4つの原因とご家庭での支え方

中学生の英単語の覚え方は?覚えられない4つの原因とご家庭での支え方

「英単語がなかなか覚えられない」。そんな子どもの様子に、どう声をかければよいか迷う保護者の方は多いものです。実は「覚えられない」には、音(読み方)・意味・綴り・文の中での使い方という4つのつまずきがあります。どこで引っかかっているかによって、ご家庭でできるサポートが変わります。

背景には、小学校と中学校で英語の学び方が変わることがあります。小学校では聞く・話す活動を中心に学んできました。中学校の教科書は、その学びを活かしながら読み・書きへ広げていく設計になっています。急に覚えられなくなったのではなく、求められる力が広がる時期だと考えるとよいでしょう。

対策は、塾や新しい教材に頼る前に、家にある教科書とノート、学校指定の音声で今日から始められます。まず大切なのは、子どもを責めずに、どこでつまずいているかを一緒に確かめることです。原因が見えれば、教科書の単元と音声を活かした覚え方に進めます。

また、毎日の関わり方では、保護者の方がどこまで手伝い、どこから任せるかの線引きがカギになります。困りごとが続くときは、学校の先生への相談も有効な手段です。

英単語が覚えられない原因を4つに分けて見分けよう(音・意味・綴り・使い方)

1つの単語を「覚えた」状態には、いくつかの段階があります。音として読めること、日本語の意味と結びつくこと、綴りを書けること、文の中で使えることの4つです。「覚えられない」と感じるとき、どの段階で止まっているかは子どもによって異なります。

小学校では聞く・話すが中心だったため、音と意味で覚えてきた単語でも、中学校で「書く」「文で使う」が加わると難しく感じることがあります。まずは4つのタイプごとに、ご家庭でどのように見えるかを確認しましょう。

音:読めない単語は覚えにくい

読み方が分からない単語は、声に出して確かめられず、耳で聞いても認識しにくいものです。目で文字を追うだけの学習になりがちで、覚えにくくなります。

ご家庭での見え方:
単語を見せても黙ってしまう・口ごもる、カタカナ読みに近い形でしか言えない、覚えたはずの単語を音読の場面で読み間違える。こうした様子があれば、音でつまずいている可能性があります。

意味:英語と日本語が結びつかない

読めるのに意味が出てこないタイプです。綴りと音だけを覚え、意味と結びついていない状態です。

ご家庭での見え方:
「library」と読めるのに意味を聞くと答えられない。英語から日本語は言えるのに、日本語から英語が出てこない。こうした場合は、意味の結びつきが弱い可能性があります。

綴り:読めるのに書けない

読めて意味も分かるのに、書こうとすると文字が抜けたり順序が違ったりするタイプです。音と文字の対応が曖昧なまま覚えようとすると、つまずきやすくなります。

ご家庭での見え方:
口では言えるのに紙に書くと文字が抜ける、小テストで細かいスペルミスが多い、書くと別の単語の綴りになる。こうした様子が目安になります。

使い方:文の中でどう使うかが出てこない

単語単体では覚えているのに、文の中で使おうとすると出てこないタイプです。前置詞との組み合わせや動詞の形など、文の決まりごとと結びついていないと起こります。

ご家庭での見え方:
単語の確認テストはできるのに、英文を作る問題で止まってしまう。長文の中にその語が出てくると意味が取れない。こうした場合は、使い方の段階でつまずいている可能性があります。

ご家庭での見分け方と声かけ例

4つのタイプについて、ご家庭で見えるサイン、最初に確認すること、最初の対応をまとめました。

つまずきのタイプご家庭で見えるサイン最初に確認すること最初の対応
音(読み)単語を見せると黙ってしまう・口ごもる今の単元の単語を1つ読んでもらう教科書の音声やQRコンテンツで正しい音を確かめ、単語を見ながら声に出す
意味読めるのに意味が出てこない、日本語から英語が出てこない読める語の日本語の意味を言ってもらう単元の導入文や例文の中で、どんな場面で使う語か確かめる
綴り口では言えるのに書くと文字が抜ける単語を隠して紙に書いてもらう音声を聞きながら、音と綴りをセットで書き取る
使い方単語は覚えているのに英文を作ると止まるその単語を使った短い文を言ってもらうノートの例文を、意味のあるかたまりで音読する

どこで止まっているかは、教科書を開いて5分ほどで確認できます。今の単元の単語を1つ選び、次の順で試してもらうと、どこで止まるかが見えてきます。

  1. 単語を見て読んでもらう(音の確認)
  2. 日本語の意味を言ってもらう(意味の確認)
  3. 単語を隠して紙に書いてもらう(綴りの確認)
  4. その単語を使った短い文を言ってもらう(使い方の確認)

複数のタイプに当てはまる場合は、「音(読み)」から優先して取り組みましょう。読めない単語は、意味も綴りも定着しにくいためです。読めるようになってから、意味・綴り・使い方へと順に進めるとよいでしょう。

確認するときは、責めるような聞き方にならないよう意識します。

「難しいのは読む方? それとも書く方?」
「読むのと書くの、どっちが引っかかる?」

「なんで覚えられないの」ではなく、つまずきの場所を一緒に特定する聞き方にすると、子どもも答えやすくなります。

確認して見えたことは、その都度メモに残しておくと、後で見返したり学校の先生に相談したりするときに役立ちます。特別な形式は必要ありません。日付と気づいたことを書き留めるだけで十分です。

観察メモの記入例:
箇条書きの短いメモで構いません。

  • 5月12日 今の単元の単語10語を確認した
  • 読み:10語中6語は読めたが、2語で口ごもり、2語は読めなかった
  • 意味:読めた語の意味はおおむね言えた
  • 綴り:書くと3語で文字が抜けた
  • 試したこと:教科書の音声を聞いてから音読した

教科書と学校の音声でできる英単語の覚え方

新しい単語帳や教材を買う前に、まず使いたいのが学校の教科書とノートです。教科書は学校で習う順序そのものなので、その順番に沿って復習すると迷いにくくなります。

単元の流れに沿って覚える(学校で習う順序)

教科書の単元は、新しい単語に出合い、授業の活動の中でその語を使い、最後に定着を確認する流れで進みます。ご家庭では、「その週に習った範囲」を復習する形で取り組むとよいでしょう。

具体的には、単元末や巻末の単語リストで出てきた語を確認し、単元の導入文や例文の中で使われ方を見直します。定期テスト前は、あれもこれもではなく、テスト範囲の単元に絞って戻るのが基本です。

どこから戻ればよいか分からないときは、次の順に確認すると、戻る地点を見つけやすくなります。

  1. 教科書の目次で単元の並びを見て、どの単元から曖昧になっているか目星をつける
  2. 授業で使ったノートを開き、書けている部分と乱れている部分の境目を探す
  3. 教科書の例題や導入文を読み、意味が取れるか確かめる
  4. 単元末の練習問題に取り組み、止まった場所を戻る地点にする

QRやデジタル教科書で音を確かめる

音でつまずいている場合、正しい音を確かめることが最初の一歩です。教科書には、QRコードからアクセスする音声コンテンツや、学習者用デジタル教科書・教材が用意されていることがあります。

ただし、音声の提供方法は教科書や学校によって異なります。まず、子どもが使っている教科書のQRや、学校から指定されている音声・デジタル教材を確かめてみてください。使い方が分からない場合は、学校の先生に確認するのが確実です。

音と綴りをセットで覚える手順

音声を確認できたら、次の3つの手順で取り組みます。

  1. 音声を聞いて、正しい音を確かめる
  2. 単語を見ながら、声に出して読む
  3. 単語を隠して、音から綴りを思い出して書く

音を確かめてから声に出すことで、耳・口・目の複数の感覚で単語に触れられます。隠して書く段階で間違えたところは、そのまま弱点の目印になります。間違えた語に印をつけておくと、後で戻りやすくなります。

何から始めるか分からないときは、1つ目の「音声を聞いて確かめる」だけをその日の目標にして構いません。一度始められれば、2つ目以降にも進みやすくなります。

意味は例文・イメージと結びつける

意味が結びつかない場合は、日本語訳だけを丸暗記せず、単元の導入文や例文の中で確かめるとよいでしょう。文の中で「どんな場面で使う語か」を見ると、意味が場面やイメージと結びつきやすくなります。

教科書の例文を音読しながら「この文ではどういう意味かな」と確かめるだけでも、意味を覚える助けになります。

ノートで「思い出す」確認をする

ノートには、授業で扱った例題や写した文が残っています。これらを音読し、間違えた語に印をつけることで、「見て分かる」だけでなく「思い出せるか」まで確認できます。

覚える練習は「見る」だけで終わりがちですが、定着の確認は「隠して思い出す」ことが大切です。ノートの例題の文を言えるか、単語を隠して書けるか、週に1度確かめる習慣があると復習しやすくなります。

教科書やノートでの見直しに加えて練習素材を探したい場合は、ナビクロの練習プリント一覧も参考になります。掲載内容は変わることがあるため、子どもの学年や単元に合うものがあるか確認してみてください。

【中1・中2・中3】学年別のつまずきポイントとサポート

学年によって、単語学習で優先したいことが変わります。今の学年でどこに力を入れるかを絞ると、ご家庭での関わりも決めやすくなります。

中1:まず「読める」ことを優先(小中接続の時期)

中学1年生は、小学校の聞く・話す中心の学びから、読み・書きを含む学びへ移る時期です。この時期は書き取りの量を増やすより、まず「読める」ことを優先するとよいでしょう。

1学期には曜日・月・数字など、小学校でも触れてきた基本語彙が改めて登場します。こうした単語で、「正しい音で読めるか」「綴りと音が一致しているか」をセットで確かめると、その後の単語学習の土台になります。

中2:増える語彙は前置詞・熟語とセットで

中2は扱う語彙が増え、文も複雑になる時期です。単語を1語ずつばらばらに覚えるより、前置詞や熟語と一緒に、意味のあるかたまりで覚えることが大切です。

たとえば「in front of(〜の前に)」や「look at(〜を見る)」のように、意味のあるかたまりごと覚えると、文の中での使い方も同時に押さえられます。ノートの例文をかたまりで音読するだけでも助けになります。

中3:覚え直しの仕組みと入試範囲を意識する

中3では、中1・中2で習った単語にどう戻るかが課題になります。一般に、高校入試は中学校3年間の学習内容から出題されますが、出題範囲は都道府県や学校によって異なります。気になる場合は、学校の先生に確認すると確実です。今の単元に加えて、過去の範囲への戻り方を決めておくと安心です。

たとえば、過去の教科書の巻末の単語リストを使い、週に1度「忘れている語を洗い出す時間」を設ける方法があります。全部を一度にやり直そうとせず、間違えた語に印をつけて少しずつ戻る形で十分です。

焦らせる声かけより、「忘れているのは自然なこと。戻る場所が分かれば大丈夫」と伝える方が、取り組みは続きやすくなります。

ご家庭での関わり方

英単語の学習は、保護者の方が全部を教え直さなくても進められます。ここでは、手伝う範囲の線引きから、続けるための時間の考え方、場面別の声かけまで整理します。

支える範囲と任せる範囲の線引き

まず、保護者の方が手伝える範囲と、子どもに任せる範囲、あえて放っておく範囲を分けて考えます。

区分内容の例
手伝える範囲読み方の確認(読んでもらう)、テスト役(日本語を言って英語を言ってもらう)、教科書音声の準備
任せる範囲毎日の実行、覚え方の工夫の選択(書く・音読・アプリなど)、忘れたときの戻り方
放っておく範囲1日できなかった日へのいちいちの言及、点数や結果以外の細かい部分(字の丁寧さ、覚え方の好みなど)

「全部を教え直さなくてよい」と決めると、保護者の方の負担も減り、子どもの自立にもつながります。保護者の役割は先生ではなく、「確認の相手」です。

短時間×毎日の考え方(目安は各ご家庭で)

単語学習は、長時間取り組むより、短時間でも毎日続ける方がよいでしょう。一例として「1日10〜15分程度」という目安がありますが、これは一律の基準ではありません。

時間の目安や目標は、各ご家庭や子どもの状況に合わせて、子どもと話し合って決めるものです。部活や他教科との兼ね合いもあるので、進級のタイミングなどで見直す前提で決めるとよいでしょう。

取り組む時間帯は、朝の登校前・帰宅後・食後など、一日の中のスキマ時間が候補になります。できない日があっても失敗ではありません。翌週に戻ればよいなど、できなかった日の扱いまで決めておくと続けやすくなります。

帰宅後の流れにどう組み込むか、中学生の一日の例を2つ示します。時刻や分数はあくまで例であり、一律の基準ではありません。

部活動がない日の例:
帰宅後に休憩と夕食をとり、食後の10〜15分でその週に習った単元の単語を音声で確認してから音読します。間違えた語に印をつけて終わります。

部活動がある日の例:
帰宅が遅くなる日は、夕食前の5分で音声を1つ聞くだけにするか、翌朝の登校前に回します。できなかった日は例外として扱い、週末などに戻ります。

部活動の有無や帰宅時刻、他教科の宿題量は、子どもや時期によって異なります。例をそのまま当てはめるのではなく、子どもと話し合って無理なく続けられる時間帯を決めてください。

また、疲れている様子の日は、英単語に取り組む前に確認したいことがあります。前の晩の睡眠はどうだったか、部活動や行事で体力を使った日だったか、体調に変化はないか、といった点です。疲れている日は「読むだけ」「聞くだけ」に切り替えるか、その日は休んで翌週に戻る方法もあります。

場面別の声かけ例

続けるためには、責めない声かけが欠かせません。場面別に、声かけの例をまとめます。

場面声かけ例
原因を確認したいとき「読むのと書くの、どっちが引っかかる?」
取り組んでいる最中「さっきの単元、1つ読んでみて」
テストが返ってきたとき「前回間違えた語、今回はどうだった?」
嫌がっているとき「今日は読むだけにしよう」

テスト後は点数そのものではなく、前回からの変化に目を向けるような声かけがおすすめです。嫌がっている日は目標を下げて「読むだけ」に切り替えることで、ゼロの日を作らない考え方です。

声をかけても返事がない、気乗りがしない日もあります。その場合の進め方の一例です。

保護者の方「今日、単語の確認をしようか。」
子ども(返事がない・気乗りしない様子)
保護者の方「今は難しそうだね。音声を聞くだけにする? それとも1つだけ読んでみる?」
子ども「聞くだけ。」
保護者の方「分かった、今日はそれにしよう。また明日、様子を見ようね。」

そして翌日は、「昨日聞いた単元の単語、1つ読んでみてくれる?」と、小さな一歩から声をかけ直します。「昨日もできなかった」と責めるのではなく、その日にできそうな選択肢を改めて出すのがポイントです。

声かけをしても取り組みが止まってしまうときは、「ご家庭での見分け方と声かけ例」の手順でつまずきのタイプをもう一度確かめ、「単元の流れに沿って覚える(学校で習う順序)」の手順で戻る地点を一緒に探してみてください。

保護者のイライラとの付き合い方

見守っていると、保護者の方自身がイライラすることもあります。とくにイライラしやすいのが、「夜遅くなってもまだ始めていない」「何度言っても同じミスを繰り返す」という場面です。

そんなときは、その場で強く言うより、あらかじめ対応を決めておくとよいでしょう。たとえば、その日の目標を「読むだけ」に下げる。それでも難しければ一度その場を離れて、翌日の声かけに切り替える、という方法です。

イライラは、子どもを大切に思うからこそ生まれるものです。うまくいかない日があっても、保護者の方が自分を責める必要はありません。「翌週に戻ればよい」という考え方は、保護者自身にも当てはまります。

スマホ・アプリ・ゲームとの両立

英単語アプリなどを使う場合は、始める前にいくつか確認しておきたいポイントがあります。

  • 無料で使える範囲と課金の境目
  • 広告の有無と内容
  • 対戦・フレンドなど、ほかの利用者との交流機能の有無
  • 通知設定(勉強の妨げにならないか)

アプリで覚えたあとに、最後は紙にスペルを書いて確認する方法もあります。画面で選べることと、紙に書けることは別の力だからです。

また、ゲームの時間との両立は、「勉強したからゲーム」と強制するのではなく、子どもと話し合って約束を決める形にするとよいでしょう。特定のアプリの優劣で判断するのではなく、ご家庭の約束に合うかどうかで選んでください。

約束したゲームのルールが守れなかったときは、罰として利用を禁じるよりも、ルールのどこが合わなかったかを見直します。確認するのは、時間の長さが実態に合っていたか、終わるタイミングの決め方が明確だったか(アラームを使うなど)、約束の数が多すぎなかったか、といった点です。守れなかったことを責めるのではなく、「どこを変えれば守れそうか」を子どもと話し合い、必要に応じてルールを決め直します。

学校の先生へ相談する目安

ご家庭だけで抱え込まず、学校の先生に相談することも大切な選択です。相談は特別なことではなく、日ごろの様子を共有する機会にもなります。

こんな様子なら相談を検討

  • 読みのつまずきが続いている(ご家庭で確かめても、読めない語が多い状態が続く)
  • 英語の授業や宿題への拒否感が強い
  • ご家庭での確認自体が難しい(一緒に取り組もうとすると衝突してしまう、など)

相談で伝えるとよいこと

相談の際には、ご家庭で見えたつまずきのタイプ(音・意味・綴り・使い方のどこで止まるか)と、これまで取り組んできたことを伝えると、先生も状況をつかみやすくなります。次の項目をメモにまとめておくと、限られた時間でも伝えやすいでしょう。

  • いつ:つまずきに気づいた時期と、どのくらい続いているか
  • 教科と範囲:英語のどの単元の、どんな語で止まるか
  • ご家庭で試したこと:音声での確認や音読など、取り組んだ内容
  • 学校で知りたいこと:授業中の音読の様子、学校指定の音声教材の使い方など

原因を見分けた際に付けた観察メモが、そのまま相談の材料になります。まずは担任や英語の先生に相談するのが基本です。学校の手引きや授業で扱った内容の確認方法についても、具体的な助言を得やすくなります。

まとめ

英単語が覚えられない原因は、音・意味・綴り・使い方の4つのつまずきに分けられます。複数に当てはまるときは「音(読み)」から優先し、教科書の単元と学校指定の音声を使って、今日から確認を始められます。

保護者の方は全部を教え直さなくて大丈夫です。読み方の確認とテスト役に絞り、責めない声かけで見守ることが、子どもの続ける力を支えます。

今日の一歩は、シンプルに「今の単元の単語を1つ、読んでもらう」ところから。そこで見えたつまずきが、そのまま次の対策の手がかりになります。

参考情報

監修:新興出版社啓林館 坂本陽一