学校に行きたくないと言われたら 小学生への朝の対応と休む目安・連絡例

朝、子どもから「学校に行きたくない」と言われたら、理由を聞くより先に、安全と体調を確認します。熱や腹痛・頭痛などの訴えがないか、眠れているか、誰かにこわい思いをさせられていないかを、落ち着いて確かめましょう。
そのうえで、「行きたくない」という気持ちを責めずに受け止めます。声かけの例としては、「行きたくない気持ちがあるんだね。教えてくれてありがとう」などがあります。こども家庭庁は、子どもの気持ちや考えに耳を傾け、問いかけや相談をしながら一緒に考える関わり方を提案しています。
そして、「今日の判断」と「これからのこと」は分けて考えます。今日1日をどう過ごすかはその日の状態で決め、今後の通い方は、学校と相談しながら決めていけます。今日休んでも、将来が決まるわけではありません。
判断を一人で抱え込む必要もありません。欠席が続く前から、学校や公的な相談窓口を利用できます。
「学校に行きたくない」と言われた朝、まずすること
最初に確認したい「安全」と「体調」
最初に確かめたいのは、子どもの安全と体調です。次の3つを順に確認しましょう。
- 安全に関わる訴え:誰かにこわい目にあわされている、特定の人と会いたくない、という話がないか
- 体調:熱、腹痛、頭痛、吐き気、めまいなどの訴えはないか。眠れているか、食べられているか
- 本人の訴えの大きさ:泣く、震える、強く拒否するなど、いつもと違う様子があるか
安全に関わる訴えがあったときは、登校の判断より先に、その日のうちに学校へ連絡して相談します。強い体調不良が続くときは、医療機関の受診を考えます。
理由を聞く前に、気持ちを受け止める声かけ例
「どうして?」「なんで行かないの?」と聞きたくなる気持ちは自然です。それでも、理由はあとから聞いても大丈夫です。先に気持ちを受け止めると、子どもが安心して話せるようになることがあります。
声かけの例:
・「行きたくない気持ちがあるんだね。教えてくれてありがとう」
・「つらい朝だね。いっしょに考えよう」
・「今日はどうしたい? 休みたい? 少し遅れて行ってみる?」
返事がないこともありますが、そのときは問い詰めずに選択肢を出し、翌日に改めて確認する形でも構いません。
会話の流れの例:
1. 声をかける:「行きたくない気持ちがあるんだね。教えてくれてありがとう」
2. 返事がないときは:「話すのが難しかったら、無理に話さなくて大丈夫だよ」と受け止める
3. 選択肢を出す:「今日は『休む』『少し遅れて行く』のどちらがよさそう? 分からなければ、今日は休んで様子を見よう」
4. 翌日に見直す:「昨日は休んだね。今日の調子はどう? 行けそうか、もう1日様子を見るか、いっしょに決めよう」
こども家庭庁は「体罰等によらない子育て」の中で、子どもの気持ちや考えに耳を傾け、問いかけや相談をしながら一緒に考えることを提案しています。できている行動を具体的に認めることも大切とされています。「行きたくない」と言葉にできたこと自体を、責めずに受け止めましょう。
支度が進まない朝の、場面別の次の行動
同じ「行きたくない」でも、朝の場面によって最初の行動は変わります。「支度を始めない」「支度を始めるが途中で止まる」「家を出る段階で動けなくなる」「前の晩に『行く』と言っていたのに朝になると行けないと言う」。この4つの場面ごとに、保護者の方が次にどう動くかをまとめた例が下の表です。
| 朝の場面(ご家庭での見え方の例) | 保護者の方の次の行動の例 |
|---|---|
| 支度を始めない。布団から出られない。 | 「起きなさい」の前に、体調と安全を確かめる声かけを。「調子はどう?」「どこか痛いところはある?」と落ち着いて聞く。 |
| 支度を始めるが、途中で止まる。 | どこで止まったかを責めずに見る。止まった場面(持ち物・服・出発の時間など)は、観察の手がかりとしてメモしておく。 |
| 家を出る段階で動けなくなる。 | 無理に連れ出さず、いったん家の中で落ち着く時間を取る。安全と体調をもう一度確認する。 |
| 前の晩に「明日は行く」と言っていたのに、朝になると行けないと言う。 | 前日に「行く」と言ったことを責めない。「行く」と言えたこと自体を認め、「今日の判断」として仕切り直して選択肢を出す。 |
どの場面でも、理由の聞き出しや説得より、安全と体調の確認が先です。判断に迷ったら、「休んで様子を見る」か「学校に相談する」を選んで構いません。
「今日の判断」と「これからのこと」を分けて考える
「休ませたら、この先ずっと学校に行けなくなるのでは」と不安になるかもしれません。けれど、今日休むことと将来のことは直結しません。今日のことは今日の判断として、今後のこととは分けて考えましょう。
今日決めるのは「今日1日をどう過ごすか」だけです。これからの方針は、子どもの様子を見ながら、学校と相談して決めていけます。
今日はどうする?「行く・遅れて行く・休む」の判断基準
「行かせる」か「休ませる」かの二択で考えると、どちらを選んでも不安が残ります。安全に関わる訴え・体調の強さ・本人の拒否の強さを見ながら、その日の状態に応じて3つの対応から選ぶ考え方があります。下の表は整理の例です。
| その日の状態の目安(ご家庭での見え方) | 選びやすい対応 |
|---|---|
| 体調の訴えは落ち着いていて、安全に関わる訴えはない。渋ってはいるが、支度を進められる。 | いつも通り行く |
| 朝はつらそうだが、時間がたつと落ち着く。「短い時間なら行けそう」と本人が話す。 | 遅れて行く・短い時間にする |
| 熱・強い腹痛・頭痛など体調の訴えが強い。安全に関わる訴えがある。泣く・震えるなど訴えが大きい。 | 今日は休む |
表に当てはまらないときは、表だけで判断せず、学校や医療機関に相談してください。
休むことを優先したい状態の目安
次のような状態のときは、休むことを優先したいところです。
- 熱がある、強い腹痛・頭痛・吐き気を訴えている
- 安全に関わる訴え(誰かにこわい思いをさせられている等)がある
- 眠れていない、食べられていない状態が続いている
- 泣く、震えるなど、本人の訴えがとても大きい
文部科学省の不登校児童生徒への支援に関する通知は、休むことに、休養や自分を見つめ直す意味がある機会もあるとしています。休むこと自体を、悪いことと決めつけなくてよいのです。
「遅れて行く」「短い時間なら」という真ん中の選択肢
「絶対に行かない」ではなく、「昼からなら行けそう」「保健室なら過ごせそう」という話が出ることもあります。遅れて登校する、短い時間だけ授業を受ける、保健室で過ごす。こうした方法も、学校と相談して選べる中間の選択肢です。
本人が「少しなら行けそう」と言うときは、その気持ちを大事にしながら、担任に相談してみましょう。無理のない範囲は、学校と一緒に決められます。
連絡帳での相談の例:
・「本人が『午前中だけなら行けそう』と話しています。短い時間の登校は可能でしょうか」
・「保健室で過ごす形なら行けると言っています。養護教諭の先生に相談できますか」
「休み癖がつくのでは」と不安なときの整理
「休み癖がつくのではないか」。そう感じることも自然です。ただ、今日1日の判断と今後の通い方は、分けて考えられます。
大切なのは、休んだ日に子どもがどんな状態だったかを観察し、学校と共有しておくことです。記録があれば、「あのときの判断はどうだったか」を、あとから学校と一緒に振り返れます。
学校への欠席連絡と、連絡帳での初めの連携
欠席連絡に書くこと・書かなくてよいこと(文例)
欠席の連絡は、原因を断定せず、「ご家庭で確認できている状態」を伝えるだけで十分です。連絡帳・電話のどちらでも、学校の決まりに沿って伝えましょう。
欠席連絡の文例:
・「本日、熱がありますので欠席させます。」
・「朝から腹痛を訴えており、様子を見るため本日はお休みさせます。」
・「本人が強く疲れを訴えており、本日はお休みさせます。学校での様子で気になることがあれば、お聞かせいただけますか。」
書かなくてよいこともあります。「きっと友達のことが原因です」といった原因の断定や、「何度もすみません」と重ねる謝罪は、書かなくても問題ありません。状態と、知りたいこと(学校での様子など)を簡潔に書けば十分です。
連絡帳で担任と情報を共有するときの書き方
連絡帳は、欠席の日だけでなく、気になる様子を早めに共有する道具としても使えます。文部科学省の通知も、学校・保護者・関係機関が情報を共有し、予兆の段階から支援につなぐ方針を示しています。
連絡帳の記入例:
・「先週から、朝に腹痛を訴える日が増えています。ご家庭では様子を見ていますが、学校で気になる様子があれば教えてください」
・「昨日、『学校に行きたくない』と話しました。理由はうまく言葉にできていないようです。授業や休み時間の様子を、お手すきのときにお聞かせください」
共有する内容を整理するときは、次の4項目に沿ってメモしておくと、電話や連絡帳での伝え漏れを防げます。
共有するときの項目:
・いつから、どの時間帯に(例:先週の月曜日から、登校前の朝)
・どの教科や場面でつらさが強そうか(分かる範囲で、不明なら「本人も分からないようです」と書けます)
・ご家庭で試したこと(例:早めの就寝、送り迎えの約束をはっきり伝える、など)
・学校で知りたいこと(例:休み時間の様子、行事の前後での変化)
実際に連絡帳に書く内容は「観察できていること」と「知りたいこと」に絞ると、担任も返事を書きやすくなります。
連絡の頻度や本人への連絡方法を相談するには
欠席が続くと、「毎日連絡するのがつらい」と感じる保護者の方もいます。連絡の頻度や方法は、担任と相談して調整できます。
相談の例:
・「毎朝の連絡が難しい日があります。週に一度、連絡帳でまとめてお伝えする形にできますか」
・「本人に連絡をくださる場合は、電話より連絡帳への一言の方が、本人が受け取りやすいです」
本人への連絡方法(電話・連絡帳など)も、子どもの状態に合わせて学校と決めておくと安心です。
原因を決めつけない「見分け方」と、放っておいてよいこと
体のサイン・行動のサインを「観察」として記録する
「行きたくない」の背景を、ひとつの原因に決めつけることはできません。こども家庭庁は、不登校対策の中で、背景には様々な事情が複雑に関係する場合があるとしています。原因を決めつけるのではなく、観察したこととしてサインを整理しましょう。
体のサイン:
・朝になると腹痛・頭痛を訴える
・食欲が落ちている、眠れていない様子がある
・登校の時間が近づくと顔色が悪くなる
行動のサイン:
・支度がいつもより大幅に遅れる
・学校の話題を避ける、話したがらない
・日曜の夜からそわそわする、機嫌が落ちる
気づいたことを日付つきでメモしておくと、学校や医療機関に相談するときに役立ちます。曜日や時間帯で傾向が見えることもあります。
観察メモの記入例:
「5月12日(月)午前7時20分 朝食を半分残す。『おなかが痛い』と訴え、ランドセルを持ったところで支度が止まる。前夜の就寝はいつも通り。午前8時に学校へ欠席の連絡を済ませた」
書く項目は「日付と時刻」「様子」「直前の出来事」「とった対応」の4つで十分です。受診や学校への相談のときに、そのまま見せることもできます。
負担が強そうな場面を分けて考える(決めつけない整理)
典型的な原因の一覧に当てはめて決めつけるのではなく、「どの場面で負担が強そうか」を分けて見る方法があります。下の表は、場面ごとに「ご家庭で見られる様子」「最初に確認すること」「最初の対応」を並べた整理の例(です。
| 負担が強そうな場面 | ご家庭で見られる様子の例 | 最初に確認すること | 最初の対応の例 |
|---|---|---|---|
| 学校生活のこと(勉強・行事など) | テストや発表会など、特定の行事の前に訴えが強まる。 | 学校だよりや時間割、カレンダーで行事の予定を確かめる。 | 行事の前後に訴えが強そうな旨を連絡帳で伝え、学校での様子を尋ねる。 |
| 人とのこと(友達・先生など) | 特定の人の話題を避ける。休み時間の話をしなくなる。 | 話題が減り始めた時期や帰宅後の様子を、日付つきで見返す。 | 本人を問い詰めず、連絡帳で休み時間の様子を尋ねる。安全に関わる訴えがあれば、その日のうちに学校へ相談する。 |
| 体のこと(睡眠・食事・痛みなど) | 朝の腹痛・頭痛、眠れていない様子が続く。 | 痛みが出る時間帯や曜日、睡眠・食事の記録。 | 続くときは医療機関に相談し、学校にも共有する。 |
| 本人にも分からない | 「なんとなく行きたくない」としか話せない。 | 訴えが出る曜日や時間帯の傾向。 | 理由の特定を急がず、受け止めと観察を続ける。 |
上の表は原因を診断するものではなく、学校などに相談するときの手がかりを整理するためのものです。複数の場面にまたがることも、どれにも当てはまらないこともあります。
「本人にも分からない」は、珍しいことではありません。うまく言葉にできなくても、受け止めてもらうだけで安心できることがあります。
今日は掘り下げなくてよいこと
- 理由の特定:今日中に原因を突き止めなくてよい
- 将来の決断:今後の通い方などを、今日決めなくてよい
- 説得:今日の朝のうちに「行く気にさせる」必要はない
掘り下げたくなる気持ちを止めるのは難しいものです。「今日は休んで、落ち着いてから学校と相談しよう」と区切るだけでも、保護者の方と子どものどちらの負担も軽くなることがあります。
低学年・高学年それぞれの受け止め方
低学年:言葉にならない困りごとを受け止めるには
小学1年生・2年生ごろは、困りごとをうまく言葉にできないことが多い時期です。「おなかが痛い」が、「つらい」の代わりの言葉になっていることもあります。
言葉だけでなく、行動や体調からも様子を見ます。あわせて、安心して家を出られるように朝の流れを整える工夫も役立ちます。
朝の流れの工夫:
・支度の順番を紙に書き、一緒に確認しながら進める
・「送っていくよ」「迎えに来るよ」と、行き帰りの約束をはっきり伝える
・早めに起きて、朝食から出発までの時間にゆとりを持たせる
こども家庭庁は、子どもの状況に応じて環境を整えること、穏やかに具体的に伝えることを提案しています。「早くしなさい」より「次は靴下だね」と、今の一歩を具体的に伝える方が動きやすい子どももいます。
高学年:「話したくない」を尊重しながら接点を保つには
高学年になると、友達関係や自分への評価を気にする場面が増え、「話したくない」と思うことも増える時期です。問い詰めると、心を閉ざしてしまうことがあります。
「話したくなったら、いつでも聞くよ」と伝えて、話せる機会は残しておきます。口頭以外の伝え方を用意しておくと、子どもが選びやすくなることがあります。
口頭以外の伝え方:
・手紙やメモを枕元に置いてもらう
・連絡帳を使って、本人から保護者の方、担任へと伝える
・「紙に書いてもいいよ」と伝え、書く方法も選べるようにしておく
こうした方法なら、無理に話さなくても気持ちを伝えられます。「話せない」こと自体を責めず、伝え方の選択肢を増やしておきましょう。
避けたい関わりと、言い直し。保護者の方自身のつらさ
避けたい声かけ・対応と、その理由
問い詰めたり、きょうだいや友達と比較したり、力づくで連れて行ったりするのは避けたい関わりです。こうした関わりは、子どもが「話しても分かってもらえない」と感じ、次から話せなくなるおそれがあります。下の表は、声かけを言い換えた例です。
| 避けたい言葉 | 伝えたい言葉 |
|---|---|
| 「なんで行かないの?」 | 「行きたくない気持ちがあるんだね」 |
| 「みんな行ってるよ」 | 「あなたの気持ちを聞かせてほしい」 |
| 「休んでばかりはいられないよ」 | 「今日はどうしたい? いっしょに考えよう」 |
| 「わがままを言わないの」 | 「つらい気持ちを教えてくれてありがとう」 |
強く言ってしまった日の「言い直し」の例
朝は時間に余裕がなく、強く言ってしまう日もあります。その場で完璧でなくても、あとから言い直せます。
言い直しの例:
・「さっきは強く言ってごめんね。行きたくない気持ちを、ちゃんと聞きたかった」
・「朝はこちらもあわてていたよ。夜、ゆっくり話そう」
言い直しは、失敗を帳消しにするものではありません。「この人は聞いてくれる」という信頼を、少しずつ取り戻すためのものです。
保護者の方のイライラ・疲れと、保護者だけでの相談
仕事の調整、きょうだいの送り迎え、毎朝のやりとり。保護者の方の負担も大きくなります。こども家庭庁は、保護者も支えられる必要があるとしています。
相談は、子どもと一緒でなくても、保護者の方だけでもできます。文部科学省は、学校や家族などの悩みについて電話・SNS・地元の相談窓口を案内しており、保護者の方が相談できる窓口も紹介されています。「自分が疲れてしまった」と感じたときも、相談窓口を利用できます。
ご家庭での負担を減らす工夫の例:
・きょうだいの送り迎えを、頼れる人に頼む
・保護者の方だけで相談窓口に電話する時間を、昼間に作る
・食事と睡眠を削らない範囲で、短い休息を取る
休んでいる日の過ごし方と、ゲームとの両立
まず確保したい「安全な居場所」と「付き添える人」
休む日は、まず安全な居場所と付き添える人の確保を優先します。保護者の方が仕事で離れる場合は、祖父母や親戚など、頼れる人がいるか確認しておきましょう。
居場所が確保できたら、あとは無理に活動させなくて大丈夫です。休養が必要な日に、原因を問い詰めたり、生活を立て直そうとしたりする必要はありません。
低学年・高学年それぞれの休みの日の流れの例
休む日のおおまかな流れがあると、子どもも保護者の方も落ち着いて過ごしやすくなります。下の流れは例です。時刻はあくまで例であり、一律の基準ではありません。子どもの状態に合わせて調整してください。
低学年(小1・小2ごろ)の例:
・8時ごろ 起床・朝食(無理に早起きさせない)
・午前 好きな遊びや読み聞かせ、一緒に過ごす時間
・昼 昼食。疲れていれば昼寝
・午後 買い物への同行や近所の散歩など、気分転換
・夕方 明日のことを本人と短く話す(行けそうかの確認)
・夜 いつも通りの入浴・就寝
高学年(小学5年生・6年生ごろ)の例:
・9時ごろ 起床・朝食
・午前 本人の過ごしたいこと(ゲーム・動画も、話し合った目安の範囲で)
・昼 昼食
・午後 本人が望めば、教科書を開く・外出など
・夕方以降 いつも通りの食事・入浴・就寝。明日の判断は翌朝に持ち越す
小学3年生・4年生ごろの子どもは、本人の状態に合わせて、近い方の流れを参考にしてください。
ゲーム・スマホは罰や交換条件にしない
休んでいる日にゲームや動画に時間を使う姿を見ると、「休んでいるのに」と感じるかもしれません。それでも、一律に禁止・没収したり、罰や交換条件にしたりするのは避けたいところです。
確認したいのは、睡眠・食事・気分転換への影響です。夜眠れているか、食事をとれているか、ゲーム以外の気分転換があるか。この3つが保てているなら、ゲーム自体を責める必要はありません。
北海道教育委員会の資料は、家庭での学習習慣や生活リズムづくりについて、時間の目安・目標・優先順位を子どもと話し合い、実態に応じて設定して見直す考え方を示しています。一律の時間で決めつけるのではなく、「今日はどのくらいにしようか」と本人と話し合って決める考え方です。休養中にゲームの管理を強制することは、避けましょう。
約束した時間を守れなかった日には、罰として翌日禁止にしたり没収したりするのではなく、ルールのどこが合わなかったかを一緒に見直します。
見直す視点の例:
・時間の長さは現実的だったか(ゲームの区切りのよいところで終えられる長さか)
・終わりの合図はあったか(タイマーを使う、終わり10分前に声をかける、など)
・ゲーム以外の気分転換(おやつ、外出、読書など)は用意できていたか
見直した結果は「次はこうしてみよう」と本人と一緒に決め、合わなければまた調整します。罰を与えるのではなく、次のルールを見直すきっかけにします。
学習との向き合い方:本人が望むときは教科書・ノートで
無理強いはしない。学習に手をつけてよい状態の目安
学習するのは、安心して過ごせて体調も整い、本人が望んでいるときに限ります。休養中に「遅れを取り戻さなきゃ」と、勉強を強制する必要はありません。
本人から「ちょっとやってみたい」と言葉が出たり、体調が落ち着いて手持ち無沙汰そうにしていたりするときが、目安のひとつです。
教科書・ノート・例題で「分からない」を見つける見直し方
手をつけるときは、学校の教科書とノートがいちばんの頼りになります。学校で習う順序に沿っているので、どこまで進んだかを確かめやすいためです。つまずいたところは、教科書の目次、授業で使ったノート、例題、練習問題の順に確認すると見つけやすくなります。
見直しの手順:
1. 教科書の目次を開き、今習っている単元を確かめる
2. 授業で使ったノートの日付をたどり、最後に書いたページを探す
3. 教科書の例題を1問だけ解いてみる。すらすら解ければ先へ進み、止まったらそこまで戻る
4. 例題が解けたら、その単元の練習問題に進む。練習問題で止まったら、例題の説明に戻る
5. 止まったところに印をつけて、あとで先生に聞けるようにしておく
「分からない」が見つかっても、その場で全部教えなくて大丈夫です。印がついていれば、あとで学校の先生に質問できます。
連絡帳で学校と学習範囲を確認する聞き方
学習の範囲は、連絡帳で学校に確認できます。聞き方の例は次の通りです。
連絡帳での聞き方の例:
・「算数は、教科書のどのあたりまで進んでいますか。本人が望むときに見直せるよう、範囲を教えていただけますか。」
・「国語の漢字はどこまで学習しましたか。ノートのどこを見れば進度が分かるか、教えてください。」
千葉県教育委員会は、家庭学習の方法や計画に関する学校の取組資料をサイトで紹介しています。学校によって学習の進め方は違うので、範囲は担任に直接確認するのが確実です。
なお、ナビクロのプリント一覧では、教科・学年・ジャンルで絞り込んで学習プリントを探せます(対象は未就学児から小学6年生まで)。本人が「少しやってみたい」と言ったときの選択肢のひとつとして、必要な場合にご覧ください。
医療・相談につなぐ目安と、この先の見通し
医療機関・緊急の相談を考えたい状態
次のような状態は、ご家庭だけで抱えず、医療機関や相談窓口への相談を考える目安です。
- 強い体調不良(熱・腹痛・頭痛など)が続くとき:医療機関の受診を考える
- 安全に関わる訴え(誰かに危害を加えられている等)があるとき:その日のうちに学校へ相談する
- 眠れない・食べられない状態が続くとき:医療機関と学校、両方への相談を考える
「何日休んだら受診」という日数の目安より、状態を優先して考えます。欠席してから日が浅くても、上のような状態なら早めに相談して構いません。
日数を待たずに使える相談先(学校・地域・電話)
文部科学省の通知は、欠席の日数を待たず、予兆を含めた初期の段階から支援につなぐ方針を示しています。「まだ1日しか休んでいないから」と、遠慮しなくて大丈夫です。
- 学校:まずは担任や養護教諭(保健の先生)に相談します。状況に応じて、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどにつながります
- 地域:文部科学省のサイトでは、都道府県ごとの地元の相談・支援機関を探せます
- 電話:文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310、通話無料)。学校や家族などの悩みについて、電話・SNSの相談先も案内されています
こども家庭庁は、背景に様々な事情が複雑に関係する場合があるとして、教育委員会や学校だけでなく、医療・福祉とも連携して支援するとしています。相談先は学校だけではありません。
登校だけがゴールではない:この先の見通しの持ち方
文部科学省の通知は、「登校」という結果のみを目標にしない考え方を示しています。休むことに、休養や自分を見つめ直す意味を持つ場合もあるとされています。
目の前の目標は、「明日、無理にでも行かせること」だけではありません。子どもが安心して過ごせる場所をつくり、そのときの状態に合わせて学校と相談していくことも大切です。
まとめ
「学校に行きたくない」と言われた朝にまずすることは、理由を聞くより先に、安全と体調を確認することです。そのうえで気持ちを責めずに受け止め、「今日の判断」と「これからのこと」を分けて考えます。
今日の判断は、いつも通り行く・遅れて行く・休むの3つから、その日の状態で選べます。欠席連絡は原因を断定せず状態を伝え、連絡帳で早めに学校と情報を共有しておくと、この先の相談が進めやすくなります。
強い体調不良が続くときは医療機関へ、安全に関わる訴えがあるときはその日のうちに学校へ。保護者の方も、一人で抱え込まなくて大丈夫です。まず今日1日、子どもが安心して過ごせる選択を、一緒に決めていきましょう。
参考情報
- こども家庭庁「体罰等によらない子育て~みんなで育児を支えよう!~」
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
- 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」
- 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」
- こども家庭庁「不登校対策」
- 北海道教育委員会「家庭での学習習慣や生活リズムの確立に向けて」
- 千葉県教育委員会「家庭学習の習慣化を図ろう」
- ナビクロ「プリント一覧」
監修:新興出版社啓林館 坂本陽一