スマホは何歳から持たせる?子どもの必要性と準備で考える購入前の判断基準

子どもにスマホを持たせ始める年齢について、法律などで定められた一律の基準はありません。18歳未満の子どもがスマートフォンなどを利用する場合、契約時に保護者がその旨を申告することが求められ、国はフィルタリングの確認と子どもとの話し合いを案内しています(政府広報オンライン)。
「何歳になったから持たせる」ではなく、ご家庭の生活の中で連絡が必要かという「必要性」と、使い方を一緒に決め、その後も確認していけるかという「準備」の2つで判断するのが基本です。
スマホは何歳から?決まった年齢はなく「必要性」と「準備」で考える
「何歳から持たせる」に一律の決まりはありません
持たせ始める年齢を定めた法律や、公的な一律の基準はありません。連絡の必要が生じる時期は、通学の仕方や留守番の有無、習い事など、生活の事情によって家庭ごとに異なります。判断の軸は、年齢ではなくご家庭の事情です。
18歳未満の利用は、契約時に保護者の申告が求められます
開始年齢に決まりはありませんが、契約の手続きには年齢に応じた決まりがあります。先ほど触れた契約時の申告や窓口での受け答え、あわせて確認したいフィルタリングの手順は、「購入前に準備したいこと」の章で詳しく扱います。
所有率の数値を掲載しないのは、購入をあおらないためです
「何割が持っている」「平均は何歳から」といった統計は、比べるほど「持たせなければ」と焦る材料になりやすく、購入をあおりかねないため扱いません。大切なのは周りの所有状況ではなく、今のご家庭の事情です。
持たせる前に考えたい「必要性」の見分け方
周りと比べるのではなく、子どもの生活をもとに必要性を見分けます。生活場面をチェックし、「ほしい」の中身を聞く、という2つの手順で確認します。
連絡の必要がある場面があるかを確認する
以下の確認リストで、今の子どもの生活に当てはまるものがあるか、チェックしてみてください。
- 一人で通学・移動する時間がある
- 一人で留守番をする時間がある
- 習い事や塾の送迎で、迎えの連絡が必要になる
- 習い事の帰りが暗くなる時間帯がある
- 保護者と別行動になる時間が長い日がある
- 災害や急な予定変更のときの連絡手段を持たせたい
1つも当てはまらないなら、連絡手段としての必要性は今のところ低い、という目安になります。複数当てはまるなら、「どの場面で、どんな連絡が必要か」を書き出しておくと、この先の手段を選びやすくなります。
当てはまる場面が思い浮かんだら、その日のできごとを簡単にメモしておくと、「本当に必要か」の判断材料になります。思い出せる範囲で過去の場面を書き出しても構いません。
観察メモの記入例:
日付:5月12日
できごと:習い事の終了時間が延び、迎えの連絡が必要になった
そのときの対応:教室の電話を借りて連絡した
連絡手段があると変わること:子どもから直接、迎えの時間を伝えられる
メモが増えてきたら、連絡が必要な場面が「繰り返し起きているか」を振り返ります。繰り返し起きているなら検討を進める段階、めったに起きないなら様子を見る段階、という目安になります。
子どもの「ほしい」の中身を3つに分けて聞く
子どもの「スマホがほしい」には、いくつかの理由が含まれていることがあります。次の3つに分けて聞くこともおすすめです。
- 「連絡したい」…保護者や友だちと連絡を取りたい
- 「友だちとやりとりしたい」…グループでのやりとりに参加したい
- 「ゲーム・動画で遊びたい」…アプリや動画を楽しみたい
ご家庭での会話例:
保護者「スマホがあったら、何をしたい?」
子ども「友だちと話したい。ゲームもしたい」
保護者「そっか。友だちと話すことと、ゲームで遊ぶこと、いちばんしたいのはどっち?」
いちばんしたいことが「連絡」なら、スマホ以外の手段で足りる可能性があります。「遊び」が中心なら、購入前に、まず使い方について話し合います。
必要性が「連絡」なら選択肢の比較へ、「遊び」中心なら話し合いから
聞き取った「ほしい」の中身ごとに、ご家庭で見られるサインと最初の対応を、表に整理しました。ここでは3つの中身に「みんなが持っているから」という例も加えています。
| 「ほしい」の中身 | ご家庭で見られるサイン | 最初に確認すること | 最初の対応 |
|---|---|---|---|
| 連絡したい | 迎えの連絡が必要な日や、一人で移動する時間がある | どの場面で、どのくらいの頻度で連絡が必要か | 子ども向け端末など、スマホ以外の手段と比較する |
| 友だちとやりとりしたい | 友だち同士のやりとりの話題が増えてきた | 保護者の端末の共用で間に合うか | 共用から始め、足りなくなったら購入前の話し合いへ進む |
| ゲーム・動画で遊びたい | 保護者の端末で遊ぶ時間が長くなっている | 持つ前に時間の取り決めができそうか | 購入前にゲーム・動画の時間の話し合いから始める |
| みんなが持っているから | 友だちの所有を気にする発言が増えてきた | 生活の中で連絡が必要な場面があるか | 気持ちを受け止めたうえで、ご家庭の判断の軸を伝える |
「連絡したい」が中心なら、スマホ以外の選択肢と比べてみましょう。連絡だけが目的なら、スマートフォンでなくても足りることがあります。「遊びたい」「みんなが持っているから」が中心なら、急いで買う必要はありません。ゲームや動画の時間をどうするかなど、購入前の話し合いから始めましょう。
スマホ以外の選択肢:子ども向け端末や保護者の端末の共用
目的が連絡と位置確認に限られるなら、スマートフォンでなくても役目を果たせる場合があります。購入ありきではなく、目的に合う手段を比べてみましょう。
通話と位置確認に特化した子ども向け端末という選択
通話と位置確認に機能を絞った子ども向けの端末(キッズ携帯・キッズスマホと呼ばれるもの)があります。インターネットの利用範囲を狭めやすく、連絡と居場所の確認が主な目的なら、選択肢の1つになります。
機能や料金は事業者によって異なり、製品ごとの優劣は、出典がないためここでは断定できません。契約窓口で「18歳未満の利用である」ことを伝え、フィルタリングや利用制限の扱いを確認しながら比較するのが確実です。
保護者のスマホを一緒に使う段階という選択
まだ一人では持たせず、保護者のスマホやタブレットを、保護者といる時間に一緒に使う段階もあります。動画や調べもの、友だちとのやりとりを、そばで見ながら体験する形です。
共用なら、使う時間や内容をその場で確認しながら、操作やマナーに少しずつ慣れていけます。「自分の端末を持つ」前の練習の時間と考えることもできます。共用している中で「自分の端末があれば便利だ」と感じる場面が増えてきたら、購入の検討に進む合図の1つです。
代替手段で足りる場合・スマホが向く場合の目安
目的ごとの目安を、表に整理しました。製品名や価格、優劣については、出典がないため扱わず、目的に対する向き不向きの考え方に絞っています。
| 目的 | 代替手段で足りる場合 | スマホが向く場合 |
|---|---|---|
| 連絡・位置確認 | 通話と位置確認に特化した子ども向け端末で足りる | 連絡に加えて、アプリでのやりとりも必要になってきた |
| 友だちとのやりとり | 保護者の端末を一緒に使う時間で間に合う | 自分のアカウントで継続してやりとりする必要がある |
| 調べもの・学習 | 保護者の端末や家庭のパソコンで一緒に調べられる | 自分で調べて確認する機会が増えてきた |
| ゲーム・動画 | 保護者の端末で時間を決めて楽しめる | 自分の端末で楽しみたい(持つ前の話し合いが前提) |
「代替手段で足りる場合」に当てはまるなら、スマホの購入は急がなくてよい場面です。「スマホが向く場合」に近づいてきたら、購入の準備に進みます。
購入前に準備したいこと:契約時の申告とフィルタリング
持たせると決めたら、購入・契約の段階で保護者が行う手続きと設定があります。国の案内に沿って、必要な手続きや設定のポイントを整理します。
契約時に「18歳未満の利用」を申告します
国の案内では、18歳未満の子どもがスマートフォンなどを利用する場合、契約時に保護者がその旨を申告することが求められています(政府広報オンライン)。窓口で使用者の年齢を尋ねられたら、実際に使う子どもの年齢を伝えましょう。
保護者の名義で契約して子どもが使う形もあります。その場合の申告の扱いを含め、分からないことは契約窓口で確認しておくと安心です。
フィルタリングは携帯回線・Wi-Fi・アプリの3か所で確認します
同じ国の案内では、フィルタリングについて次の3か所の確認を求めています。
- 携帯回線…契約する携帯電話事業者のフィルタリング
- Wi-Fi…自宅のWi-Fiルーターなどのフィルタリング
- アプリ…アプリストアや個別アプリの利用制限・年齢設定
携帯回線だけを設定しても、Wi-Fi接続時やアプリ利用時には、別途確認が必要になる場合があります。「3か所とも確認したか」を、購入時のチェック項目に加えておきましょう。
購入・契約時に使える確認メモの例です。窓口を出る前に振り返ると、あとで設定をやり直す手間を減らせることがあります。
- 契約時に「18歳未満の利用」を申告した
- 携帯回線のフィルタリングを契約・設定した
- 自宅のWi-Fiのフィルタリングを確認した
- アプリストアと個別アプリの年齢設定・利用制限を確認した
フィルタリングだけですべてを防げるわけではありません
注意しておきたいのは、フィルタリングで被害を完全に防げるわけではないという点です。国の案内も、この限界を明確に伝えています。
フィルタリングの設定だけでなく、何を見て、何に困ったかを日々話せる関係も大切です。次は、購入前に話し合いたい項目を整理します。
購入前に子どもと話し合いたいことと声かけ例
持つ前の話し合いは、あとのトラブルを減らすための大切な準備の1つです。国の案内をもとに、ご家庭で使える会話例を示します。
国が案内する話し合いの項目
国の案内では、子どもと話し合う項目として、主に次の内容が挙げられています(政府広報オンライン)。
- 利用料金…いくらかかるのか、誰が払うのか
- 利用時間…いつ、どのくらい使うのか
- アプリ…どんなアプリを使うのか、課金はどうするのか
- 個人情報…名前や住所、写真をどう扱うのか
- 困った際の相談…トラブルにあったら誰に相談するのか
これらは「持ってから決める」より「持つ前に決める」方が、子どもも納得しやすくなります。一度にすべて決めず、数日に分けて話すのも一案です。
声をかけても返事がないときの進め方
話し合いを始めようとしても、ゲームや動画の途中で返事がないこともあります。編集部では、「声をかける→返事がない→選択肢を出す→決めた時間に再開する」の順で進める方法を提案します。
- 声をかける…今日話したい項目を1つだけ伝える
- 返事がなければ一旦止める…その場で責めず、話す時間を改める
- 選択肢を出す…「ご飯のあと」「お風呂のあと」など、時間の選択肢を2つ示す
- 決めた時間に再開する…選んだ時間になったら、その1項目から話し合いを再開する
ご家庭での会話例:
保護者「ねえ、スマホの話を少ししたいんだけど、今いいかな。」
(返事がない)
保護者「今は動画の途中だよね。ご飯のあとに話すか、お風呂のあとに話すか、どっちがいい?」
子ども「ご飯のあと。」
保護者「分かった。今日は『連絡が必要な場面があるか』だけ話そう。続きはまた明日にしよう。」
一度に全部を決めようとしないことが、話し合いを続けるコツです。
「みんな持ってるよ」と言われたときの返し方
「みんな持ってるよ」と言われたときの返し方を次のように提案します。頭ごなしに否定すると、話し合い自体が止まってしまうことがあります。
ご家庭での会話例:
子ども「みんな持ってるよ! 自分だけ持ってない。」
保護者「そうなんだね。友だちが持っていると、自分も欲しくなるよね。」
子ども「じゃあ、買ってよ。」
保護者「うちは『必要かどうか』と『使い方を決められるか』で考えることにしているんだ。まず、どんなときに連絡が必要か、一緒に考えてみない?」
ポイントは、気持ちを受け止めてから、ご家庭で決めた基準に話を戻すことです。「みんな」の数と比べるのではなく、「うちの決め方」を繰り返し伝えます。
それでも「今すぐ欲しい」と反発が強いときは、「買う・買わない」の二者択一ではなく、判断するためにできることを2つ示す方法があります。
ご家庭での会話例:
保護者「すぐには決められないけれど、前に進める方法はあるよ。土曜日に一緒にチェックリストを見るのと、学校で連絡手段のことを担任の先生に聞いてみるのと、どっちからやってみる?」
子ども「先生に聞いてみる」
保護者「いいね。じゃあ、聞きたいことを一緒に書き出しておこう」
この例では、子ども自身に次の行動を選んでもらいます。結論が出るまでの間も、納得して待ちやすくなることがあります。選んでもらうのは「買うかどうか」ではなく、「判断のために何をするか」です。
ゲームや動画のことは、持つ前に話す
国の案内にある「利用時間」の話し合いの中でも、ゲームや動画の時間は、持つ前に決めておきたい代表的な項目です。先に決めておくと、「あとから取り上げる」ことへの反発を減らせることがあります。
ご家庭での会話例:
保護者「スマホを持つ前に、ゲームと動画の時間を決めておきたいんだ。平日はどのくらいなら、宿題や寝る時間に支障がなさそう?」
子ども「30分くらい?」
保護者「いいね。まずはその時間でやってみて、合わないと感じたら一緒に見直そう」
時間を保護者が一方的に言い渡すより、子どもに案を出してもらう方が、決めた時間を守りやすくなることがあります。なお、使い始めたあとの時間や場所に関する細かなルールの運用は、中学生のスマホルールの記事で詳しく扱っています。中学生以降のご家庭は、あわせて参考にしてください。
あわせて、「守れなかったときどうするか」も持つ前に話しておくと安心です。そのとき見直すのは、子どもの態度ではなく、ルールの決め方です。罰として取り上げるのではなく、ルールのどこが合わなかったかを一緒に確かめる形にします。
- 時間の長さ…決めた時間が短すぎた・長すぎたか
- 使う時間帯…学習や食事、寝る時間と重なっていなかったか
- 終わりの合図…タイマーや時計など、終わりが分かる仕組みがあったか
- 確認の仕方…保護者の方が確認する頻度や声のかけ方は合っていたか
「どこを変えれば守れるようになるか」を一緒に考えると、次に決める内容を実際の生活に合わせやすくなります。この順番を持つ前に共有しておくと、子どもも「守れなかったら終わり」ではないと分かって、話しやすくなることがあります。
話し合いが止まったときの共通の進め方
話し合いが途中で止まってしまうこともありますので、どの場面でも使える共通の進め方を紹介します。
- 折り合わない項目はいったん書き出して保留し、契約窓口や学校などで必要な情報を確かめてから再開します
- 再開する日を決めていったん区切り、「止まったまま」にしないようにします
- 止まった原因を子どもの態度のせいにせず、項目の順番や切り出すタイミングなど、進め方の方を見直します
困ったときの相談先を先に決めておく
国の案内にある「困った際の相談」は、起きてから探すより、先に決めておくのが安心です。子どもと一緒に、相談先のリストを作っておきましょう。
- 保護者…まず一番に相談する相手
- 学校の担任…学校や友だちに関わること
- 契約窓口…料金や設定、紛失・故障のこと
- 公的な案内ページ…安全な使い方に関する国の情報
「相談しても怒られない」と先に伝えておく方法を提案します。子どもがトラブルを隠さず話しやすくなることがあります。
スマホと勉強の両立を、購入前にどう考えておくか
購入前に考えておきたいのが、勉強とゲームのことです。「持たせると勉強しなくなりそう」という不安も、あらかじめ整理しておきましょう。
「スマホがあると勉強しなくなる?」への考え方
この不安は、2つに分けて考えると整理しやすくなります。1つ目は「時間の使い方」の心配です。これは、前の章で示したように、ゲームや動画の時間を購入前に話し合っておくことで備えられます。
2つ目は「学習の土台」の心配です。スマホの有無にかかわらず、家庭学習で何を中心にするかも、購入前に確認しておきます。
学習での使い道の例:調べものと教科書の解説動画
学習でスマホを使う場合も、あくまで補助と考えるのが基本です。例えば、調べもので意味を確認する、教科書の解説動画で説明を聞き直す、といった使い方があります。
啓林館の令和6年度用「わくわく算数」のQRコンテンツでは、教科書の主問題の解説動画を見ることができます。字幕表示・停止・反復視聴ができ、学年を超えて利用できるため、前の学年の内容を確かめたい場面にも使えます(すべての教科書に共通の機能ではありません)。
また、啓林館のプリントページでは、学年・教科で絞り込んで練習用プリントを探せます。「この単元をもう一度練習したい」という場面で、必要な1枚を探せます。
いずれも「使えば成績が上がる」と断定できるものではありません。学校で習った内容の確認を助ける道具の1つ、という位置づけです。
家庭学習の土台は、教科書・ノート・例題の見直しです
スマホがある家庭でも、ない家庭でも、家庭学習の土台は同じです。学校で習った順序に沿って、教科書・ノート・例題を見直すことです。
例えば算数なら、その日習った単元の教科書の例題をもう一度解き、板書を書き写したノートや自分の式と見比べます。分からなかった例題に印を付け、翌日先生に聞く流れです。国語なら、新出の漢字と読みを教科書で確認し、ノートで書き取る形が基本になります。
「分からない」が出たとき、どこから戻るかの順番を決めておくと、見直しを進めやすくなります。確認の手順の例です。
- 教科書の目次…今習っている単元が、前のどの単元につながっているかを確かめる
- 授業で使ったノート…先生の板書や、自分で書いた式・メモを見返す
- 教科書の例題…もう一度解き、説明文と自分の答えを照らし合わせる
- 練習問題…解き直してみて、止まったら1つ前の例題に戻る
この順番で確かめると、「目次のこの単元から戻る」「例題のここで止まっている」など、どこから見直せばよいか具体的に分かります。前の学年の内容を確かめたい場面では、先に紹介した解説動画などを補助として使う選択肢もあります。
普段から教科書やノートを見直していれば、解説動画やプリントなども補助として使いやすくなります。「スマホを持つと勉強の中心がずれるのでは」と感じる場合は、教科書やノートを見直す流れを先に作ってから、購入を考える方法もあります。
帰宅から学習を終えるまでの流れの例(低学年・高学年)
家庭学習をどのように進めるか、帰宅から学習を終えるまでの流れの例を示します。時刻や所要時間はあくまで例であり、一律の基準ではありません。子どもの様子や習い事の日など、ご家庭の生活に合わせて変えてください。
低学年(小学1〜3年生)の例:
午後4時ごろ帰宅。手洗いと軽い休憩のあと、連絡帳・教科書・ノートをランドセルから出す。
保護者の方と10〜15分、その日習ったページを見直す(算数なら例題を1問解き直す、国語なら新出の漢字を読み書きで確かめる)。
見直しが終わったら自由な時間。夕食後に、翌日の持ち物を一緒に確認する。
高学年(小学4〜6年生)の例:
午後4〜5時ごろ帰宅。休憩のあと、自分で連絡帳を開き、宿題と翌日の予定を確かめる。
20〜30分ほど時間を取り、ノートと例題の見直しや練習問題に取り組む。
止まった問題に印を付けて翌日先生に聞く。終わる時間はあらかじめ決めておき、翌日の準備を済ませる。
スマホの有無にかかわらず、このような流れができているかを見ると、「スマホがあっても学習の土台を保てそうか」の判断材料になります。ゲームや動画の時間を決めるときは、流れのどこに置くか(例:見直しが終わってから夕食までの間)を持つ前に具体的に話しておくと、「勉強の前か後か」が曖昧になりにくくなります。
「待つ」という判断をしてもよい場面
ここまで必要性と準備を見てきましたが、「まだ早い」と感じるなら、持たせない判断も1つの選択肢です。周りのペースに合わせる必要はありません。
連絡の必要な場面がまだないとき
確認リストに当てはまる場面がないなら、連絡手段としての必要性はまだ高くありません。「持っている人がいるから」ではなく、「必要な場面ができたから」を購入を考えるきっかけにすると、判断がぶれにくくなります。
話し合いや確認に保護者が関わる時間が取れないとき
スマホは、渡して終わりではありません。フィルタリングの確認、使い方の話し合い、日々の様子の確認と、保護者が継続して関わる時間が必要です。
仕事や家庭の事情で、今はその時間が取れないと感じるなら、「関われる時期が来るまで待つ」は責任ある判断です。待つことを、先送りだと感じたり、後ろめたく思ったりする必要はありません。
待つ間にできること:一緒に使う・話し合いだけ先に始める
待つ間は、何もしない時間ではなく、準備の時間にできます。
- 保護者の端末を一緒に使う…動画や調べものをそばで体験し、操作やマナーに慣れる
- 話し合いだけ先に始める…利用時間や個人情報の扱いなど、国の案内の項目は端末がなくても話せる
- 相談先を決めておく…困ったときに誰に話すかを、家族で共有しておく
「いつ持つか」ではなく「準備ができたときに持つ」と考えると、待つ期間も判断するための時間になります。待つ間に観察メモを続けておくと、「必要な場面ができた」という合図を、感覚ではなく記録で確かめられます。
迷ったとき・イライラしたときの相談先と応答例
スマホの話では、判断そのものより、何度もやりとりを重ねることに疲れてしまう場合があります。保護者の方の気持ちを責めるのではなく、進め方の工夫と相談先を整理します。
「欲しい」と繰り返す子どもへの応答例
「欲しい」を何度も聞かされると、保護者の方も疲れてしまいます。子どもの気持ちを責めず、判断の手順を伝えて待ってもらう声かけ例を紹介します。
ご家庭での会話例:
子ども「ねえ、スマホまだ? 本当に欲しいんだよ」
保護者「欲しい気持ちはよく分かったよ。うちは『連絡が必要な場面があるか』『使い方を決められるか』で決める話をしたよね」
子ども「うん」
保護者「今週の土曜日に、チェックリストを一緒に見て決めよう。それまで少し待ってくれる?」
ポイントは、結論を先延ばしにするのではなく、「いつ、何を基準に決めるか」を示すことです。期限と基準があると、子どもも待ちやすくなることがあります。
保護者の方ご自身のスマホ時間を見直す視点
話し合いの前に、保護者の方ご自身のスマホの使い方も一度振り返ってみましょう。子どもが大人の使い方を見て真似ることがあります。スマホの使い方は、子どもだけの問題ではありません。
「大人はずっと見ているのに、なぜ自分だけ制限されるのか」と感じると、決めた時間への納得が薄れることがあります。食事中は置いておく、寝室に持ち込まないなど、家族で共通のルールを1つ決めておくと、子どもにも話をしやすくなります。
学校・契約窓口・公的な案内に相談する目安
判断に迷ったときの相談先の目安を整理します。
- 学校の担任…持ち込みの扱いや、クラスでの様子を知りたいとき
- 契約窓口…料金、フィルタリングの設定、子ども向け端末の違いを確認したいとき
- 公的な案内ページ…18歳未満の利用に関する国の考え方を確かめたいとき。政府広報オンラインなどのページが参考になります
学校に相談するときは、伝えることをメモしておくと、短い時間でも話が進みます。次のような項目をメモしておくと良いかもしれません。
- いつ頃から、どんなことで迷っているか(例:迎えの連絡が増えてきた時期と回数)
- ご家庭で試したこと(例:必要性のチェックリストの確認、持つ前の話し合いの状況)
- 学校で知りたいこと(例:連絡手段の持ち込みの扱い、学校からの連絡で困る場面があるか)
一人で抱え込まず、制度のことは窓口へ、子どもの様子のことは学校へと分けると、相談先を選びやすくなります。
まとめ:年齢ではなく、必要性と準備で決める
持たせる時期の判断の流れは、3つに整理できます。1つ目は、連絡が必要な場面があるかを確認すること。2つ目は、子ども向け端末や保護者の端末の共用など、代替手段で足りるかを比較すること。3つ目は、持たせると決めたら、契約時の申告・フィルタリング・購入前の話し合いを済ませることです。
今日できることは、夕食の時間などに「スマホがあったら何をしたい?」と聞いてみることです。「まだ早い」と感じるなら、待つことも立派な判断です。
中学生の子どもで、使い始めたあとの時間・場所のルール運用を詳しく知りたい場合は、中学生のスマホルールの記事をご覧ください。
参考情報
- 政府広報オンライン:18歳未満のスマートフォン利用に関する案内(契約時の申告・フィルタリング・話し合い項目)
- 新興出版社啓林館:学年・教科で探せる練習プリント
- 新興出版社啓林館:令和6年度用「わくわく算数」QRコンテンツの紹介
監修:新興出版社啓林館 坂本陽一