知育
日付
2026/10/31

小学生の子どもに友達がいない?見守る目安とご家庭での声かけ・学校との連携

小学生の子どもに友達がいない?見守る目安とご家庭での声かけ・学校との連携

小学生の子どもが一人で過ごしていても、それだけで問題があるとは判断できません。友達の人数だけでなく、本人がどう感じているか、学校生活で困る場面があるか、嫌なことをされていないかをそれぞれ確認しましょう。

本人が今の過ごし方に納得していて、活動への参加や安全に気になることがなければ、友達作りを急がせる必要はありません。「寂しい」と感じているときは、まず話を聞き、どんな手助けを望んでいるかを確かめます。

一方、ペアや班の活動に参加できず困っている場合は、担任の先生に状況を確認してください。仲間外れやからかい、物を隠されるなどの被害がある場合は、友達作りの練習より、安全の確保と学校への相談を優先してください。

保護者の方同士の交流が少ないからといって、それが子どもに友達がいない原因だとは判断できません。子どもやご自身を責めず、分かっていることと、これから確認したいことを整理しましょう。

  • 友達の数ではなく、気持ち・学校生活・出来事をそれぞれ確認する
  • ご家庭では、出来事・気持ち・してほしいことを聞く
  • 学校には、困っている場面と希望する支えを具体的に伝える
  • 本人が望むときに、関わり方と過ごす場所を一緒に選ぶ

友達の数ではなく、気持ち・学校生活・出来事をそれぞれ確認する

放課後に遊ばないことと、学校で関わる相手がいないことは分けて考える

「放課後に遊ぶ約束がない」「決まった仲良しがいない」「クラスで話す相手がいない」は、それぞれ異なる状態です。外から見える一場面だけで、学校生活全体を判断しないようにしましょう。

例えば、放課後は一人で過ごしていても、学校では好きな本の話をする相手がいるかもしれません。反対に、一人で読書する時間は好きでも、授業で2人組を作るときには相手が決まらず困っている場合があります。「一人でいるか」だけでなく、「その場面でどう過ごしたいか」「必要な活動に参加できているか」を確かめます。

  • 休み時間:
    何をして過ごしているか。その過ごし方を自分で選んでいるのか、本当は誰かと過ごしたいのか。
  • 授業のペア・班活動:
    相手や班が決まり、活動に参加できているか。決まらないとき、先生に手伝ってもらえるか。
  • 登下校:
    一人で通うことをどう感じているか。道中で嫌なことを言われたり、されたりしていないか。
  • 放課後:
    本人は誰かと遊びたいのか。遊ぶ相手がいないのか、予定や連絡方法が合わず約束できないのか。

全てを一度に質問しなくても大丈夫です。本人が話した場面や、ご家庭で気になった場面から確認しましょう。学校での様子が分からなければ、「放課後の約束はありませんが、休み時間に話す相手はいますか」などと担任に尋ねられます。

入学・転校・クラス替えがあったときは、以前との違いも確認します。「前のクラスでは一緒に遊ぶ相手がいた」「今は遊びに入るきっかけが分からない」など、変わった点を具体的に確かめましょう。環境の変化は状況を知る手がかりですが、「慣れるまで待てば解決する」とは決めず、今の困りごとに合わせて対応します。

本人の気持ち、活動での困りごと、嫌な出来事を確認する

一人の時間が好きでも、誰かと過ごしたいと思うことはあります。「一人が好きか、嫌いか」の二択にせず、「読書の時間は楽しいけれど、外遊びには入りたい」など、場面ごとの気持ちを聞いてみてください。

本人が「平気」と話したら、その言葉は尊重しましょう。ただし、ペアを組めず活動に参加できないことや、からかわれることが分かっているなら、本人の気持ちとは別に学校へ確認します。「平気と言っているから対応しない」「本当は寂しいはずだ」と、どちらかに決め付ける必要はありません。

笑顔だから困っていないとも、表情が暗いから友達関係に原因があるとも限りません。表情だけで本音を判断せず、本人の言葉、保護者の方が見たこと、学校で確認できたことを合わせて考えましょう。

状況が分からない場合も含めて、今日の対応を整理する

次の表は対応例で、複数の状況が重なる場合は、安全を守るための対応や活動に参加するための手助けを優先します。

分かっている状況追加で確認したいこと今日の対応
本人が過ごし方に納得していて、活動への参加や安全に気になることがない困ったときに話せる相手や方法があるか友達作りを急がせずに見守り、気持ちが変わったら話せるようにする。
「寂しい」「一緒に遊びたい」と話しているどの場面で寂しいか。聞いてほしいのか、手助けを望むのか。気持ちを受け止め、本人の希望を聞く。つらさがある場合は学校への相談も進める。
ペアや班が決まらず、活動に参加できなくて困っているいつ、どの活動で起きているか。先生は気付いているか。担任に確認し、参加できる方法や助けを求める方法を相談する。
仲間外れ、からかい、物を隠されるなどの出来事がある今も続いているか。安心して過ごせる場所や頼れる大人がいるか。本人の安全を優先し、速やかに学校へ連絡する。
友達関係を理由に登校を嫌がるなどの変化があるどの時間や出来事が負担になっているか。無理に登校を促すのではなく、何が負担なのか、どんな手助けが必要かを学校と確認する。
保護者の方には一人で過ごしているように見えるが、本人の気持ちや学校での様子は分からない本人の気持ちと、休み時間・授業中の実際の様子。「問題なし」と判断せず、落ち着いて話を聞く。分からない場面は担任に確認する。

見守る場合も、毎日友達の人数や遊んだ相手を報告してもらう必要はありません。普段の会話の中で過ごし方を聞き、「困ったときは話していい」と伝えます。本人の希望が変わったり、活動での困りごとや被害が新たに分かったりしたときは、対応を見直しましょう。

つらさや被害がすでに分かっている場合は、ご家庭での工夫を試し終えるのを待たずに、相談してください。学校への伝え方と相談先を確認すると、伝える内容や希望する支えを整理できます。

ご家庭では、出来事・気持ち・してほしいことを聞く

「誰と遊んだ?」だけでなく、どう過ごしたかを聞く

ご家庭で落ち着いて話せるときに、場面、気持ち、希望の順で聞いてみましょう。一度にいくつも質問せず、子どもの返答を待ちながら聞きます。ここで紹介する会話や手順は、順番どおりに答えてもらうことにこだわらず、本人の言葉や話すペースを大切にしてください。

  1. 場面を聞く:
    「休み時間は何をして過ごした?」
  2. 気持ちを聞く:
    「その時間はどんな感じだった?」
  3. 希望を聞く:
    「今は聞いてほしい? 一緒に考えたい?」

例えば「図書室にいた」と答えたら、すぐに「一人だったの?」と聞かず、「何を読んだの?」と本人が話した内容に沿って聞いてみましょう。その後、必要に応じて「その時間はどうだった?」と尋ねます。「誰と遊んだ?」という質問に偏らず、一人で楽しく過ごした話も聞けるようにしましょう。

「分からない」と答えた場合は、気持ちを言葉にするのを急がせる必要はありません。「今はうまく言えなくても大丈夫だよ。話したくなったら聞くよ。」と伝え、その場では話を終えても問題ありません。ただし、嫌な出来事があったと話したときは、今も危険がないか、誰に助けを求められるかを先に確かめます。

「寂しい」「一人がいい」「話したくない」への声かけ

「寂しい」と話したとき:
「寂しかったんだね。話してくれてありがとう。」

まずは気持ちを受け止め、「自分から誘えばいい」とすぐに言うのは避けましょう。落ち着いてから、「どんな時間に誰かと過ごしたい?」と本人の希望を聞いてみましょう。「声をかけたいけれど言えない」のか、「声をかけたけれど入れてもらえなかった」のかでも、必要な手助けは違います。

「一人がいい」と話したとき:
「一人で過ごしたいんだね。好きな過ごし方を大事にしていいよ。困る時間があったら教えてね」

一人で過ごすという選択を否定せず、必要なときには助けを求めてよいと伝えます。普段は一人で過ごすことに納得していても、授業で相手が決まらないなどの困りごとがあれば、その場面では手助けを考えましょう。

「話したくない」と言ったとき:
「今は話さなくていいよ。話したくなったら聞くよ。」

その場で無理に聞き出さず、話したくなったときに話せるようにしておきます。話すのが難しそうなら、「書いて伝えてもいいよ」と提案するのも一つの方法です。ただし、書くことも強制しません。

話さないからといって、困っていないとは限りません。登校を嫌がるなどの変化や、被害が分かっている場合は、本人の返答だけを待たずに学校へ確認しましょう。その際は、「心配なことがあるので、学校での様子を先生に聞きたい」と本人にも説明します。

友達作りを急がせる言葉を言い換える

保護者の方の心配と、子どもが今どうしたいかは、別々に考えて大丈夫です。友達を作るよう促す代わりに、本人の希望や、難しいと感じていることを尋ねてみましょう。

  • 「友達を作りなさい」ではなく、「一緒に過ごしてみたい相手はいる?」
  • 「どうして誘えないの?」ではなく、「声をかけるとき、どこが難しそう?」
  • 「もっとみんなと遊んだら?」ではなく、「休み時間は、どう過ごせたらよさそう?」

「友達は多い方がよい」「休み時間はみんなで遊ぶもの」という保護者の方の考えを、そのまま本人の希望と同じだと考える必要はありません。一方で、子どもが助けを望んでいるなら、「自分で何とかして」と任せきりにする必要もありません。

すでに強く言ってしまった場合も、言い直せます。以前の声かけが原因だと決め付けず、今の気持ちを聞く機会を作りましょう。

急がせてしまった後の言い直し:
「心配で急がせる言い方をしてしまったね。今はどうしたいか聞かせて。」

学校には、困っている場面と希望する支えを具体的に伝える

つらさや被害があるときは、見守りだけにせず相談する

本人がつらさを訴えたり、友達関係を理由に登校を嫌がったりする場合は、学校にも様子を確認しましょう。ペアや班の活動に参加できず困っている場合も、本人の努力だけで解決しようとせず、必要な手助けについて相談します。「何日続いたら相談する」と期間を決めて待たず、今起きている困りごとを伝えてください。

仲間外れやからかい、物を隠されるなどの出来事がある場合は、本人の安全を優先し、速やかに学校へ連絡します。いじめと断定できるまで待たず、心配な出来事があれば相談することを勧めます。急いで相談したい場合は、連絡帳の返事を待つだけでなく、学校へ電話するなど、直接連絡しましょう。

記録が全部そろっていなくても、相談できます。「分かっているのはここまでです」と伝え、次に学校で過ごすとき、誰がどの場面を見守るか、困ったらどこへ行けばよいかを確認します。登校を嫌がる場合も、無理に行かせようとするのではなく、本人が負担に感じている場面と、学校でできる手助けについて相談してください。

本人が「先生に言わないで」と話したときは、まず何が心配なのかを聞きます。「みんなの前で話されるのが嫌」「相手に知られるのが怖い」など、心配の内容に合わせて伝え方を考えます。

学校へ伝える前の声かけ:
「先生に知られると、どんなことが心配かな。誰に何を伝えるか、一緒に考えたい。安全に関わることは、あなたを守るために大人へ相談するね」

安全に関わることまで秘密にする約束はせず、伝える相手と内容を本人に説明してください。保護者の方が相手の子を直接追及するのではなく、学校に事実確認と、安全を守るための対応を求めましょう。

本人の言葉と確認できた出来事を分けてメモする

相談前に、次の項目ごとに短くメモします。本人から聞いたことを、保護者の方が直接見たこととして書かないようにしましょう。分からない項目は「未確認」のままで問題ありません。記録を完成させるために、子どもに何度も同じ説明を求める必要はありません。

  • いつ・どこで・何があったか:
    分かる範囲で、日時や活動を書きます。日付が分からなければ「体育で2人組を作ったとき」など、本人が覚えている場面を書いておきます。
  • 本人の言葉:
    「休み時間に一緒にいる相手がいなくて寂しい」など、できるだけそのまま残します。
  • 保護者の方が見たこと:
    登校前に泣いた、持ち物がなくなっていたなど、確認できたことを書きます。
  • まだ分からないこと:
    休み時間の様子、ペアの決め方、先生が把握しているかなどを挙げます。
  • 希望する支え:
    活動に参加できる方法、困ったときに話せる先生、安全に過ごせる場所などを書きます。

例えば、持ち物が見当たらないことは確認できても、誰かが隠したかどうかは分からない場合があります。「持ち物が見当たらない」「本人は隠されたと話している」「経緯は未確認」と分けると、学校に何を調べてほしいかがはっきりします。推測を事実として伝えず、未確認の部分を学校と一緒に確かめましょう。

担任に確認したい場面と、避けてほしい伝え方を共有する

文部科学省の資料では、学校とご家庭が連携して子どもを支える考え方が示されています。以下の相談文や確認手順は、資料で指定されたものではなく、あくまで例です。

「本人が、休み時間に一緒に過ごす相手がいなくて寂しいと話しています。休み時間とペア活動での様子を確認していただけますか。友達を作らせるのではなく、困ったときに助けを求められる方法を相談したいです。」

「友達はいますか」だけでは、話す相手がいるかどうかの確認で終わることもあります。本人の困りごとに合わせて、場面を絞って尋ねましょう。休み時間は自分で一人の活動を選んでいるのか、遊びに入ろうとして困っているのか、ペアが決まらないときはどうしているのかなどを確認します。

学校への依頼は、特定の子を友達にしてもらうことではありません。例えばペア活動で困っているなら、相手の決め方を確認し、決まらないときに先生が声をかけられるかを相談します。休み時間に困ったら、誰に、どこで伝えられるかも決めておくと、本人にもどのような手助けを受けられるか説明できます。

併せて、「本人の悩みを人前で取り上げないでほしい」「本人は相手に知られることを心配している」といった希望を伝えてください。どのように本人へ声をかけるか、周囲にどこまで伝える必要があるかを学校と確認し、本人にも分かる言葉で伝えます。

先生から「学校では楽しそうです」と言われても、本人のつらさを否定する必要はありません。反対に、先生が把握していなかったからといって、何も見ていないと決め付けないようにしましょう。授業中と休み時間など、見ている場面が違う可能性があるため、時間や活動を絞って再確認します。

認識が違うときの相談例:
「授業中は楽しそうなのですね。本人は昼休みと、2人組を決めるときに困ると話しています。その場面を確認していただけますか。」

相談の終わりには、学校が確認すること、ご家庭から伝えること、次に状況を伝え合う時期と方法を決めます。「昼休みとペア活動を見ていただいた後、いつごろ、電話や連絡帳で様子を伺えますか」と具体的に確認しましょう。その時期は状況に応じて決め、新たな被害やつらさの訴えがあれば、予定の日を待たずに連絡します。

その後は、友達が増えたかどうかよりも、「活動に参加できたか」「困ったときに先生へ伝えられたか」「嫌な出来事が続いていないか」を確かめます。学校の活動に参加できていても、本人のつらさが残るなら、そのことも伝えて手助けの方法を見直してください。

相談が進まないときは、校内の別の担当者や公的窓口へ

担任に相談しても確認が進まない場合や、困りごとが続いている場合は、学年主任や管理職にも相談できます。「いつ、誰に、何を伝えたか」「どのような対応について相談したか」「その後も何に困っているか」を分けて伝えてください。最初から全て説明し直すのが大変なら、これまでのメモを使えます。

学校へ相談しにくい場合や、学校に何を伝えればよいか整理したい場合は、公的窓口に相談する方法もあります。校内での相談が全て終わっていなくても利用できます。文部科学省の子どものSOSに関する相談窓口の案内には、子ども本人や保護者の方が利用できる、電話・SNS・地域の相談先が掲載されています。

24時間子供SOSダイヤル:
0120-0-78310
子ども本人や保護者の方などが、学校や人間関係の悩みを相談できる窓口です。夜間・休日を含めて24時間利用でき、原則として所在地の教育委員会の相談機関につながります。

電話相談の詳細は、文部科学省の24時間子供SOSダイヤルの案内で確認できます。「友達関係で困っているようだが、詳しくは話してくれない」など、分かっている範囲で相談できます。

本人が望むときに、関わり方と過ごす場所を一緒に選ぶ

関わりたい相手や活動に合わせて、短い言葉を考える

本人に「誰かと話したい」「遊びに入りたい」という希望があるときは、具体的な手助けを考えます。寂しいと話したからといって、すぐに練習したり、実際に試したりするよう求める必要はありません。「言い方を一緒に考えてみる?」と尋ね、本人が希望することから始めましょう。

  1. 関わりたい相手や活動を選ぶ:
    「話してみたい相手や、やってみたい遊びはある?」と聞きます。「誰でもいいから誘う」のではなく、本人が関心のある相手や活動を選びます。
  2. 難しい部分を確かめ、短い言葉を考える:
    話題が浮かばないのか、遊び方が分からないのか、どんな場面で声をかければよいか迷うのかを聞き、本人が言いやすい言葉を選びます。
  3. 希望があればご家庭で試す:
    保護者の方が相手役になり、子どもの声かけに返事をする短いやり取りを試します。

場面に合わせた言葉の例:
本の話をしてみたいとき:
「その本、どんな話?」
遊びや活動に入りたいとき:
「一緒にやってもいい?」
遊び方が分からないとき:
「やり方を教えて」

遊び方が分からず入りにくいなら、本人の希望を確かめた上で、学校でどんな遊びや活動をしているか先生に聞き、ご家庭でやり方を確認するのも一つの方法です。ただし、事前に上手にできるようになることを、参加の条件にはしません。

本人が練習したり、実際に試したりすることを断っても大丈夫です。「今日は言葉を考えるだけ」「先生に間に入ってもらえるか聞く」「今は何もしない」といった選択もできます。翌日にやってみると約束してもらう必要もありません。

試した後は、「友達ができた?」ではなく、「やってみてどうだった?」と聞きます。返事をもらえても本人が疲れたと感じることもあれば、会話は短くてもまた話したいと思うこともあります。友達の人数や誘えた回数を、うまくいったかどうかの基準にせず、続けたいか、別の方法にしたいか、いったん休みたいかを確かめましょう。

断られたときや困ったときの言葉も用意する

声をかけても、相手の都合などで一緒に過ごせないことはあります。一度断られたことだけで、嫌われているとは決められません。誘う言葉と併せて、その場でのやり取りを終える言葉も考えておきましょう。

断られたときの言葉:
「分かった。またね。」

その場で誘い続けず、別の活動を選んだり、一人で過ごしたりして大丈夫です。「またね」と言っても、必ずもう一度誘うと約束するわけではありません。断られて寂しかったときは、「残念だったね」と受け止め、すぐに次の誘いを勧めないようにしましょう。

一方、授業のペアや班の活動は、相手が決まらないからといって、参加を諦めればよいわけではありません。先生に助けを求める言葉も一緒に考えます。

活動に参加できず困ったときの言葉:
「先生、一緒にやる相手が決まらなくて困っています」

先生に声をかけること自体が難しい場合は、個別に伝える時間や合図などを学校に相談できます。本人が助けを求める言葉を言えるようになるまで待つ必要はなく、その前から支援できます。

繰り返し仲間外れにされたり、声をかけるたびにからかわれたりする場合は、練習を増やすのではなく学校に相談します。本人の誘い方の問題として扱わず、実際に何が起きているかを確認しましょう。

放課後の約束は、連絡と安全確認を必要な範囲で手伝う

保護者の方同士の付き合いが少ないことと、子どもが学校で関わる相手がいないことは、同じではありません。保護者の方同士が仲良くなることを友達作りの必須条件にせず、放課後に遊ぶための連絡や安全確認とは分けて考えましょう。

本人が遊びたがっている場合は、まず「誰と、何をして遊びたい?」と希望を聞き、相手の子も遊びたいか確かめます。お互いに遊びたいと思っているなら、無理なく約束できるか、ご家庭同士で確認しましょう。

  • 日時と場所:
    いつ、どこで集合し、どこで遊ぶか。相手のご家庭も了承しているか。
  • 行き帰り:
    誰と、どう移動し、いつ帰るか。送迎が必要なら、どちらのご家庭が対応できるか。
  • 変更時の連絡:
    予定が変わったり、会えなかったりしたときに、どう連絡して帰るか。

相手のご家庭の連絡先が分からなければ、家庭同士の連絡方法について、学校の方針を確認してください。「放課後に遊ぶ約束について、学校の方針に沿ってご家庭同士で連絡できる方法はありますか」と尋ね、個人情報の提供は求めません。

学校やご家庭の外出の決まり、双方の予定、送迎の負担に合わせて調整します。連絡や安全確認の方法が整わないまま、約束を急ぐ必要はありません。予定が合わず遊べないことを、本人の友達作りの失敗と考えないようにしましょう。

学校外の活動も、一人で過ごす時間も選択肢にする

友達を作るために、学校外の活動に参加しなければならないわけではありません。本人が好きなことをしたり、落ち着いて過ごしたりするための選択肢と考えましょう。文部科学省の資料でも、多様な活動に参加する機会や、地域の居場所についての考え方が示されています。ただし、参加すれば友達ができたり、学校での困難が解決したりするという意味ではありません。

候補には、図書館、児童館、地域の活動などがあります。「友達を作れる場所」かどうかよりも、「本を読みたい」「工作をしてみたい」など、本人が何をして過ごしたいかをもとに選びましょう。利用案内を確認し、分からないことは施設や主催者に尋ねてください。

  • 本人が好きなことや、やってみたいことがあるか
  • 対象学年や利用時間、申し込みが必要かどうかなど、利用条件が合うか
  • 見学だけでも利用できるか
  • 困ったときに話せる担当者がいるか
  • 合わなければ参加をやめたり、休んだりできるか
  • 費用や送迎、付き添いが、ご家庭にとって無理のない範囲か

本人が選べる声かけ:
「好きな工作ができる場所があるみたい。見に行ってみる? 今日はやめておく?」

見学や参加の後は、「友達はできそう?」ではなく、「何をしているときがよかった?」「また行ってみたい?」と尋ねます。続けて参加するかをその場で決めず、別の場所を選ぶ、今は参加しないといった選択肢も残しましょう。

外での活動を望まなければ、ご家庭で好きなことをする時間を取るのも一つの選択肢です。学校外に過ごしやすい場所があっても、学校での被害や、活動に参加できないという困りごとには、別に対応する必要があります。

今日の様子を見ながら、まず話を聞くか、学校に確認するかを決めましょう。本人の希望を大切にしながら、つらさや被害があるときは、大人同士で協力して支えていきます。

参考情報

監修:新興出版社啓林館 坂本陽一